【日本都市センター】理事会での前市長の皆様との再会と女性首長の未来へのエール~奥山恵美子・前仙台市長らとともに
先日、【公益財団法人日本都市センター】の理事会に出席いたしました。
日本都市センターは、都市政策や地方自治制度に関する調査研究を行う重要な機関です。
この日は、2026年度(令和8年度)の事業計画案および収支予算案について審議を行いました。
◆都市の未来を拓く「調査研究」
理事長は、高松市長の大西秀人さんで、常務理事は全国市長会事務総長の稲山博司さんです。
議案である2026年度の事業計画には、以下のような時宜を得た重要な調査研究テーマが並びました。
・都市自治体における学校施設のあり方
・都市自治体の持続可能な廃棄物政策
・認知症施策に関する調査研究
・都市自治体の広報のあり方
いずれも、人口減少や高齢化が進む中で、全国の自治体が直面している切実な課題です。
私は審議の中で、「これらの調査研究は、現場の自治体にとって極めて重要かつ共通の課題であることから調査研究を進めることは有意義であり、大いに期待しています」と発言させていただきました。
◆市長経験者だからこそ共有できる視点
今回の理事会には、4名の「前市長」が理事として名を連ねています。
奥山恵美子さん(前 仙台市長)、髙橋正樹さん(前 高岡市長)、東坂浩一さん(前 大東市長)、そして前 三鷹市長の私です。
他に有識者の鎌田司さん(元地方財政審議会委員)、名和田是彦さん(法政大学教授)、横道清孝さん(政策研究大学院大学名誉教授・客員教授)、事務局長・研究室長の米田順彦さんが理事をされています。
審議終了後の意見交換では、前職の市長の皆様から、現職を離れた今だからこそ見える「市政の課題」や、客観的な視点からの「自治体のあり方」について、非常に有意義な語り合いができました。
立場は変わっても、地域を想う情熱は変わりません。
◆奥山恵美子さんとのご縁 〜震災支援から「女性市長の会」へ〜
前仙台市長の奥山恵美子さんとは、次のようなご縁があります。
2011年3月、【東日本大震災】の発災当時、奥山さんは仙台市長として、津波と地震対策の最前線で指揮を執られていました。
私はその年の5月末、三鷹市からの見舞金を携えて仙台市役所を訪問し、奥山市長(当時)に直接お渡しし、短い時間でしたが、災害対策本部長としての取組みについて直接、ご経験を伺ったことがあります。
特に、体育館は多くの自治体の避難所として指定されているところ、実際には耐震基準が曖昧な実情があるとの声を伺いました。
そこで、当時、国土交通省国土審議会委員及び中央建設業審議会委員をつとめていた私は、直ちに国土交通省を訪問して、被災地の仙台市長の生の声をお伝えして、対応を依頼しました。
あの時の仙台市役所の張り詰めた空気と、奥山さんの凛としたお姿は今も忘れられません。
こうして今、日本都市センターの理事として再びご一緒できることに、深い感慨を覚えます。
そして、私たちはかつて2016年から2017年にかえて、【女性市長による未来に向けた政策懇談会】をご一緒に開催した仲間でもあります。
◆女性市長のネットワーク 〜孤立から連帯へ〜
2016年当時の、女性市長の数は全国でもまだ18名から20名にようやくなる時期でした。
首長という重要なな職責の中で、女性ならではの課題や悩みを共有できる場は少なく、だからこそ私たちは特に1期目の女性市長の要望を受けて、当時の全国市長会の松浦正人会長・荒木慶司事務総長に相談して、【女性市長による未来に向けた政策懇談会】を立ち上げました。
ここでは、単なる親睦にとどまらず、「少子高齢化対策」、「防災」や「働き方改革」など、具体的な政策課題について女性首長の視点から真剣な議論を重ねてきました。
また、互いの実践を学び合い、励まし合うことで、「一人ではない」という連帯感が生まれ、それが地域を超えた大きな力となっていったことを昨日のことのように思い出します。
そして、忘れられないエピソードがあります。
私が、当時の女性活躍担当大臣であった加藤勝信衆議院議員に、「実は、女性市長の研究会があるのです」とお伝えしたときのことです。
加藤大臣は私たちの活動に大変関心を持ってくださり、幸いにも、「第2回 女性市長による未来に向けた政策懇談会」には、公務ご多忙の中、応援に駆けつけてくださいました。
国の担当大臣が、直接女性市長の声に耳を傾けてくださったことは、私たちにとって大きな励みとなり、「女性首長のネットワーク」が社会を変える力になり得るのだと確信した瞬間でもありました。
◆新たなステージへ 〜2025年の開催とこれから〜
女性市長の人数は今や50名を超え、その存在感はますます大きくなっています。
こうした流れを受け、2025年には、静岡県島田市の染谷絹代市長が発起人となり、全国の女性市長が語り合う会が始まりました。
4月にはハイブリッド形式(全国都市会館会議室およびオンライン)で一堂に会する機会が設けられ、こども家庭庁の渡辺由美子長官が招待され、【こどもまんなか社会の実現】に向けた熱心な意見交換が行われました。
私もこども家庭庁参与として、前市長として同席させていただきましたが、現場の切実な声と国の政策が響き合う、非常に有意義な時間でした。
さらに、この取り組みは2026年度からも、全国市長会の中での任意の取組みとして継続される予定とのことです。
このネットワークがさらに強固なものとなり、政策提言や課題解決のプラットフォームとして発展していくことを心から願っています。
◆多様な個性が輝く未来へ 〜女性首長へのエール〜
この日、前仙台市長の奥山さんと語り合ったのは、これからの女性の首長像についてです。
女性市長、女性町長、女性村長に就任される女性の人数が増え、その活躍が多角的視点から注目される昨今です。
それは単に「女性だから」という枠組みの話ではないはずです。
私と奥山さんが、お互いに市長経験者として、「ジェンダーの違いを超えて、自治体の首長の皆様のお一人ひとりの個性と能力が生かされ、それぞれの市町村の課題解決が進むうえで、良い意味での【女性首長のネットワーク】には、かねてそうであったように、
現在でも大きな意義があるのではないか」、そんな想いを共有できました。
ジェンダーにかかわらず、多様なバックグラウンドを持つ首長の皆様が、それぞれの感性と能力、発想と実行力を最大限に発揮し、地域を輝かせていく、そんな未来を切り拓く、全国の女性首長の皆様、そしてこれから首長を目指す女性の皆様に、心からのエールを送ります。
清原慶子 Official Website
