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総務省の内藤尚志事務次官と【民主主義】などについて対話しました

総務省の内藤尚志事務次官と【民主主義】などについて対話しました

私は、三鷹市長退任直後から「総務省行政評価局アドバイザー」として、主として同局が実施する調査研究の検討に参画しています。
また、三鷹市長在任中に任命を受けた「総務省統計委員会委員」を継続して務めており、主に統計の匿名化等を扱う統計制度部会長及びデジタル部会長を務めています。
そうした総務省とのご縁から、総務省事務次官の内藤尚志さんを訪問し、最近の活動について報告し、懇談する機会を得ました。

内藤総務事務次官は、旧自治省に入省されて約3か月後に宮城県財政課へ出向されて以来、高知県や姫路市など特に自治体の現場での行政経験を積まれている方であり、政令市のさいたま市では助役もされています。
そして、内閣官房地方分権推進室での役割を果たされたり、総務省では公務員部公務員課、自治財政局、自治税務局の課長をお務めの後、大臣官房審議官(財政制度、財務担当)、自治税務局長、同自治財政局長、消防庁長官、総務審議官を務められたというように、一貫して【地方自治】に関するお仕事をされてきた方です。
そこで、私が三鷹市長在任中や全国市長会副会長を務めている際に、多くの自治体の課題に関する事柄について、それぞれの部署において傾聴し、対応をしてくださいました。
総務審議官をおつとめの昨年には、行政学の「西尾勝先生を偲ぶ会」で再会して、そのご活躍と穏やかなお人柄を頼もしく思っていました。
そして、その年の7月に総務事務次官に就任されています。

このように自治体行政に精通されている内藤総務事務次官との面談の機会をいただき、私は今年の2月に出版された東京大学名誉教授の石井洋二郎先生が編集された『リベラルアーツと民主主義』(水声社)に寄稿した「基礎自治体の民主主義 「市民参加」と「協働」の理念と実践 」についても報告しました。
私は、私が市長としての経験を通して目指してきた「基礎自治体の民主主義」の大切さを紹介するとともに、総務省によるそれぞれの自治体の現状に則した、さらにきめ細かい総務省の行政の充実についてお願いをしました。

また、私が参与を務めている「こども家庭庁」の事業に関連して、内藤総務事務次官が取り組んでくださった、こども子育て関連施策に関する以下の総務省の新規事業についても対話をしました。
●自治体が、地域の実情に応じてきめ細かに独自のこども・子育て政策(ソフト)を実施できるよう、地方財政計画の一般行政経費(単独)を1,000億円増額
●普通交付税の算定に当たり、地方自治体が実施するこども・子育て政策の全体像を示し、こども・子育て政策に係る基準財政需要額の算定をより的確なものとするため、新たな算定費目「こども子育て費(仮称)」を創設
●自治体が、「こども未来戦略」に基づく取組に合わせて、こども・子育て支援機能強化に係る施設整備や子育て関連施設の環境改善(ハード)を速やかに実施できるよう、新たに「こども・子育て支援事業費(仮称)」を計上し、「こども・子育て支援事業債(仮称)」を創設
<対象事業>地方単独事業(こども基本法に基づく都道府県・市町村こども計画に位置付け)として実施する(1)こども・子育て支援機能強化に係る施設整備【対象施設】公共施設・公用施設
(2)子育て関連施設の環境改善【対象施設】児童館・保育所などの児童福祉施設、障害児施設、幼稚園等
<地方財政措置>充当率:90% 交付税措置率:50%(機能強化を伴う改修)又は30%(新築・増築)
<事業期間>令和10年度までの5年間 (「こども・子育て支援加速化プラン」の実施期間)
<事業費> 500億円 

こども子育て政策に関する基礎自治体(市区町村)の現状を見る時、それぞれの人口規模・こども数の動向・世帯構造・地理的特徴・公共施設整備の現状・民間の地域活動団体の状況等についての実情が異なります。
そこで、その実情に応じて、対応するためには自己財源に加えて、国や都道府県の財政支援の補助制度やモデル事業等の取組みが有用です。しかも、それが、可能な限り柔軟に運用できることが有効です。
ご多用の中に割いていただいた短時間の貴重な対話でしたが、内藤総務事務次官が、ご自身の自治体でのご経験を踏まえつつ、自治体の現状を慎重に丁寧に把握して、的確な行政を進める姿勢を強くもっていらっしゃることを感じて、大変に心強く思います。

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