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ニューヨーク市の病院で新型コロナウイルス感染症の集中治療室で看護師からのメッセージ

ニューヨーク市の病院で新型コロナウイルス感染症の集中治療室で看護師からのメッセージ

私は現在、三鷹市大沢にあるルーテル学院大学の客員教授を務めていますが、1987年4月に同大学の助教授に就任し、 1992年から1999年3月までは教授をしていました。
その時の教え子の一人が、アメリカ合衆国ニューヨーク市の病院で新型コロナウイルス感染症の集中治療室で看護師として働いています。

その教え子から電子メールが届きました。
ご本人のご了解を得て、ここに抜粋をご紹介します。
報道だけでは分からないニューヨーク市からの現状と、メッセージをお読みください。

私はニューヨーク市内の総合病院のCOVID ICUで看護師として働いています。
3月半ばまでは私は心臓外科ICUの看護師だったのですが、私の心臓外科ICUも2日~3日のあっという間にCOVID ICUになってしまいました。
2週間前は患者さんも死者の数も一番多く、ニューヨーク州だけで毎日800人近くの人が亡くなっていました。
一緒に働く同僚のコロナによる死を嘆く暇もなく、毎日、戦場に行くような気持ちで職場に向かい、毎日をかろうじて生き延びているよな日々でした。
しかし、今週に入り、まだまだ厳しい状況が医療施設では続いていますが、死者の数も少しずづ減り、また、こんな過酷な労働にも適応できて来たのか精神的にも身体的にもバランスが取れてきました。

ルーテル学院大学の市川一宏先生とのご縁から、ニューヨーク市でのこのコロナの爆発的な増加があった当初、ルーテル学院大学の仲間から沢山の応援のメッセージを頂きました。とても心強かったです。
そして、私も休みの日には色々と自分の体験や思ったことを振り返り、また、みんなに自宅待機を徹底してもらいたくて、文章にして家族や市川先生にも送りました。
その一部が市川先生の研究室のブログに掲載されています。

また、メディカルサボネットと言う、看護師向けのオンライン情報誌にも私の体験を載せて頂きました。
(サイトの看護師の写真は本人ではありません)
https://medical-saponet.mynavi.jp/news/newstopics/detail_COVID19-02/?fbclid=IwAR2r_syw0PHApKq1WlXI-RjQkB-piDFdNxD6KABj-KtphLE3D_LvypUWiMo

コロナに関して、アメリカでも様々な薬を試していますが、決定的な治療がありません
それなのに、死亡率が少しずづ減っている背景には、多くの市民が自宅待機を守ってくれているからです。
これは、みんなが心を一つにして頑張って耐えているからだと思います。
こんなに自己主張の強く、色々な民族が共存し、様々な価値観を持っている人たちの集まるニューヨークで、こんなに多くの人が自分のためではなく、社会のため、他人のため、と思ってじっと耐えていることには「美しさ」さえ感じます。

各州の州知事が素晴らしいリーダーシップを発揮しています。
政治的な利害関係は全くなく、どうやってこれを乗り切っていくか、経済を立て直すかを州知事や市長が話し合って一つの目標に向かっています。
そして、地域と言う小さい単位での働きも増えてきています。
こんなに多くの犠牲を出していますが、これからの社会が良くなるように願っています。
私はお陰様で健康には守られていますので、ご心配なく。
日本も感染者が増えてきたと聞きます。
どうぞお身体を大切になさってください。
また、お便りします。

以上、大変に深く、強く、心に響くメッセージです。

ゴールデンウィークを前に、国も、都道府県も、基礎自治体の多くも、移動や帰省をしないように呼びかけています。
私は、ニューヨーク市で奮闘する教え子からのメッセージを皆様にお伝えすることで、今こそ、自宅待機し、とにかく移動しないことで、少しでも新型コロナウイルス感染症の終息が早まる可能性のあることををお伝えしたいと思います。

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