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【全国市長会・社会文教委員会の市長の皆様と、こども家庭庁との対話~妊婦健診の公費負担と「分かち合い」の支援金制度の広報について~】

【全国市長会・社会文教委員会の市長の皆様と、こども家庭庁との対話~妊婦健診の公費負担と「分かち合い」の支援金制度の広報について~】

1月28日、こども家庭庁参与として、国と基礎自治体の連携を深める重要な一日に立ち会いました。
この日は、午前中に全国市長会社会文教委員会の会議への出席、夕刻にはこども家庭庁での意見交換と、一日を通じて「こどもまんなか」の政策実現に向けた熱い議論が交わされました。

◆ 全国市長会社会文教委員会への出席
この日の午前中は、全国都市会館で開催された「全国市長会 社会文教委員会」に、こども家庭庁の中村英正・成育局長に随行して参加いたしました。
委員会では、中村局長より重要課題について報告が行われました。
特に焦点となったのは、1月26日付で全国市長会から提出された「母子保健法の一部改正に関する意見」 です。 これは、国が新たに導入しようとしている妊婦健診の「標準額」や「望ましい基準」について、地域の実情や病院ごとの価格設定の自由度を踏まえ、妊婦さんに誤解や混乱が生じないよう、国の責任ある対応を求めるものです。

◆ 渡辺由美子長官との対話
そして夕刻、社会文教委員会の正副委員長の皆様がこども家庭庁を来訪されました。
委員長:都竹淳也様(飛騨市長)
副委員長:松村淳子様(宇治市長)
副委員長:阿部裕行様(多摩市長)
お三方を、渡辺由美子長官、藤原朋子・官房長、中村英正・成育局長、竹林悟志・官房審議官(成育局担当)、江口友之・地方連携推進室長、そして私がお迎えし、意見書を手交の後、対話を行いました。

◆ 「妊婦まんなか」の健診へ
意見書を受け取った後の対話では、妊婦健診について、可能な限り経済的負担を減少する方向を目指すとともに、自治体の実情を尊重した妊婦健診の制度改正について深く議論されました。
妊婦健診は、血糖値や感染症検査、超音波検査など、出産までに標準的には14回実施されますが、費用は公的医療保険でカバーされません。
そこで、現在は国が「望ましい基準」を定め、その範囲内での公費負担について、地方交付税措置
なされていますが、調査によれば自治体ごとに負担額にバラツキがあるとともに、医療機関が料金を自由に決められるため、エコーの費用をはじめとして、実際には妊婦に自己負担が生じているのが現状です。
そこでこども家庭庁は、新たに診療報酬などを基にした全国一律の「標準額」を示し、国の望ましい基準内の検査に関しては自己負担がないようにする制度改正に取組んでいます。
法改正によって、医療機関や自治体にこの標準額の「勘案」という努力義務を課す方針です。
この日の対話の中では、各自治体の実態を十分に踏まえつつも、こうした標準化を進めることが、結果として妊婦さんが安心して安全に健診を受けられる仕組みづくりにつながるという方向性で、認識を共有することができました。
ただ、財源は「地方交付税措置」ということですので、私が市長をしていた三鷹市もそうですが、地方交付税不交付団体は一般財源で確保する必要があります。
私は、三鷹市長在任中に、母子保健担当部署と検討して、妊婦の皆様には14回の健診を保障するとともに、里帰り出産を予定している妊婦の皆様には三鷹市以外の市町村での受診についても保障するしくみをつくりましたが、もちろん、すべての診療内容を保障するものではありませんでした。
今回の「望ましい基準」を踏まえて、安全で安心な妊婦健診を保障するためには、妊婦健診を行う医療機関とのさらに強固な連携が不可欠と考えます。

◆ 新しい「分かち合い」~支援金制度の広報の意義
また、「こども・子育て支援金」に関する広報の在り方も重要なテーマでした。
この支援金制度は、社会連帯の理念を基盤に、こどもや子育て世帯を、全世代・全経済主体が支える新しい「分かち合い・連帯」の仕組みです。
支援金の使途は、対象者が広く切れ目のない支援を実現する制度に充てられます。具体的には、児童手当など全国共通の現金給付を中心とし、加えて「こども誰でも通園制度」(現物給付)など、全国で利用要件に該当するすべての方へのサービス提供が行われるものとしています。
法律の付則では、全世代型社会保障改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、支援金制度の導入による社会保障負担率の上昇の効果がこれを超えないようにすること、令和8~10年度までの支援納付金の総額のうち被保険者又は事業主が全体とし
て負担する具体的な額の目安(令和8年度概ね6,000億円、9年度概ね8,000億円、10年度概ね1兆円)で、個々人の支援金額は加入する医療保険、世帯、所得の状況等によって異なることになっています。
こうした制度の意義や仕組みについて、国による多角的な広報はもちろん必要ですが、住民に最も身近な「自治体広報」においても、わかりやすい記事や情報を掲載していくことの重要性が確認されました。

◆ 政策の最前線は「基礎自治体」
11月に急遽、提起された「物価高対応子育て応援手当」の際も、こども家庭庁では具体的な制度が固まる前に、全国市長会社会文教員会の正副委員長をはじめ市長の皆様と対話しましたように、市長の皆様と、こども家庭庁の長官はじめ幹部が膝を突き合わせて、政策の具体的な実施に向けて議論することは極めて重要です。
なぜなら、こども・子育て政策の最前線は、常に基礎自治体にあるからです。
現場の実態を知り、責任を果たされる市長の皆様からの率直なご意見は、政策を具体化し必要な皆様に届けるための不可欠な要素です。
この日も、実態に即した充実した意見交換ができ、参与としても、市長経験者としても、大変有意義な時間となり、感謝いたします。
 

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