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【三鷹市立東台小学校で、スクールサポーターとして贈る、6年生への「言葉の花束」】

【三鷹市立東台小学校で、スクールサポーターとして贈る、6年生への「言葉の花束」】

◆スクールサポーターとして、6年生の卒業を前にして
私は三鷹市長退任後から現在まで、コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育の1つの学園である【鷹南学園三鷹市立東台小学校】の「スクールサポーター」として、主として【絵本等の読み聞かせ】の活動を担当させていただいています。
前市長として、あるいは教育行政に関わる者として学校を訪れることもありますが、「スクールサポーター」の活動は、一人の地域住民として、こどもたちと直接触れ合えるかけがえのない時間です。
今回は、まもなく卒業を迎える6年生のために、私から「言葉の花束」を贈りたいと願い、詩の朗読をさせていただきました。

◆ 成長を祝して —— 旅立ちの詩
心身ともに大きく成長した6年生への祝福と、これからの旅立ちへのエールを込めて、いくつかの詩を選び、朗読しました。
最初に私が読んだ詩は、6年生の国語の教科書(光村図書)の冒頭に載っている高階杞一さんの「準備」という詩です。
そして、高階さんのホームページに掲載されているこの「準備」という詩に関する記事を紹介しました。
そこには、
「この詩がこの4月から小学6年生の教科書(光村図書)に掲載され、教えられることになったので、ネットで取り上げられる機会も増えました。
 2週間ほど前には、6年生担任の教師の方からメールでこの詩についての質問がありました。最後の「雲の悲しみがわかる」というのはどう解釈したらいいのかと。ネットでもこの点に触れているブログが2つほどありました。
 この2つのブログでは、さまざまに想像がめぐらされています。これでいいんだと思います。読んだ人(生徒も含めて)がそれぞれイメージを膨らませて読んでもらえたらいい。」とのメッセージを紹介しました。
 その上で、地に根を張り、天へ向かって伸びゆく生命力を描いた村野四郎さんの『樹』。
そして、日常の感謝と別れの情景を優しく切り取った谷川俊太郎さんの『ありがとう』『卒業式』を朗読しました。
児童たちは、自分たちの今の姿と重ね合わせるように、静かに耳を傾けてくれました。

◆ 凛として生きる —— 女性詩人たちの言葉
教科書ではどうしても男性詩人の作品が多く紹介されているようですので、今回は、力強く美しい言葉を紡ぐ女性詩人の作品も紹介しました。
茨木のり子さんの『私が一番きれいだったとき』。
これは戦争という過酷な時代背景の中で、若さや美しさの意味を問いかけるこの詩は、平和な時代を生きるこどもたちの心にどう響いたでしょうか。
また、新川和江さんの『私を束ねないで』という、型にはめられることを拒み、一人の人間としての自由と尊厳を希求する魂の叫びを伝えました。

◆ 「生きる」ということの確かな手触り
そして最後に、谷川俊太郎さんの名作『生きる』を朗読しました。
この詩を読んだとき、会場の空気がふっと変わり、児童たちの集中力が一段と高まるのを肌で感じました。
「生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと」

抽象的な概念ではなく、日常の些細な感覚の積み重ねこそが「生きる」ことなのだという冒頭。
そして、詩はこう結ばれます。

「生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ」

読んでいる瞬間、児童たちの真っ直ぐな瞳がそれまで以上にこちらに向けられているのを感じました。
「手のぬくみ」や「愛するということ」。
言葉の一つひとつが、これから大人への階段を登ろうとする6年生の心の奥深くに届き、静かに沁み渡った手応えがありました。

◆ 「心に届きました」 —— 児童からの感想
読み聞かせの後、担任の先生の指名で、代表の児童が感想を伝えてくれました。
「谷川俊太郎さんの『生きる』という詩が、すごく心に届きました」と。
その飾らない、真っ直ぐな言葉を聞いたとき、私は胸が熱くなりました。
私が伝えたかったメッセージを、しっかりと受け止めてくれたことが何より嬉しく、言葉が持つ力を改めて信じることができました。

◆学校ブログでの紹介
後日、東台小学校のホームページ内の「学校ブログ」で、この読み聞かせの様子を写真付きで丁寧にご紹介いただきました。
記事の中では、私の朗読に「真剣な眼差しで聴き入る6年生の姿」が描写され、「詩に込められたメッセージをしっかりと受け止め、自分のこととして考えているようでした」と、その場の空気感まで伝えてくださいました。
また、「卒業を前に、生きることの尊さや素晴らしさを改めて感じる貴重な時間となりました」との温かいコメントもいただき、スクールサポーター冥利に尽きる思いです。

https://higashidai.ms.mitaka.ed.jp/modules/hp_jpage1/blog_detail.php?page_parent=414

熱心に傾聴してくれた6年生の皆さん、そして、コミュニティ・スクールを推進する学校現場の先生方が、こうした外部との交流の機会を大切にし、こどもたちの心の成長を温かく見守ってくださっていることに、心から感謝申し上げます。
言葉は時として、人生を支える杖になります。
この日出会った詩のいくつかが、彼らの未来のある瞬間を支える言葉になることを願ってやみません。

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