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【総務省自治行政局の植田昌也行政課長との懇談~調査研究と実務の両輪で「地方自治」に寄り添う~】

【総務省自治行政局の植田昌也行政課長との懇談~調査研究と実務の両輪で「地方自治」に寄り添う~】

先日、総務省を訪問し、自治行政局 行政課長の植田昌也さんとお会いして、大変有意義な懇談の時間を持ちました。

◆地方・海外・国の中枢で活躍されてきた多彩な経歴
植田さんは、1995年に旧自治省に入省されて以来、群馬県庁での勤務を皮切りに、福井県国際課長・環境政策課長・財務企画課長、愛知県地域振興部長などの地方自治体の現場をはじめ、英国留学(エディンバラ大学・ケンブリッジ大学)、在ニューヨーク総領事館領事といった海外でのご経験も積まれてきました。
国の中枢においても、マイナンバー制度創設の青写真づくりや、東日本大震災後の原発避難者特例法、大都市制度改革、さらには「自治体戦略2040構想」のとりまとめなど、常に時代の転換点となる重要な政策の最前線を担ってこられた方です。

◆国と地方をつなぐ情熱~「地域コミュニティ研究会」での出逢い
特に印象深いのは、2021年度のコロナ禍の困難な時期に、植田さんが自治行政局の市町村課長を務められ、私が委員として参加した総務省の「地域コミュニティに関する研究会」での調査研究の経験です。
植田さんは事務局の中心として議論を牽引し、2022年3月には『地域コミュニティに関する研究会報告書』という充実した報告書のとりまとめにご尽力されました。
しかし、植田さんの素晴らしいところは、そこで終わらない点です。
報告書を踏まえた「地域自治組織に関する補助事業」などをしっかりと制度化した上で、その仕組みを現場の自治体に生かしてもらうため、植田さんを中心に、市町村課の職員の皆様が全国の自治体を訪問されたり、オンラインで丁寧に説明会を重ねたりされて、総務省と各自治体との「対話と連携」に並々ならぬ情熱を注いでおられました。
その取組みは、次の市町村課長さんにも引き継がれ、制度を作って終わりではなく、国と地方が真のパートナーとして歩むためのその誠実な行動力に、私は深く感銘を受けました。

◆調査研究と実務の両輪で現場に寄り添う
また、植田さんの大きな特徴は、多忙な行政官としての実務にとどまらず、数多くの論文を執筆し、調査研究と実務を見事に架橋されている点です。
『自治実務セミナー』2022年9月号(第一法規)の「特集:住民・コミュニティ行政のDX」では、ご一緒に寄稿する機会にも恵まれました。
私は「住民・地域コミュニティのためのDX──これからの自治体DXを担う職員像を“カキクケコ”を頭文字とするキーワードで考える」というテーマで執筆し、植田さんは、「地域活動のデジタル化を通じた住民・コミュニティ行政のDX」と題して寄稿されました。
このように、制度の運用だけでなく、その背景にある理念や社会の構造変化を深く調査研究し、専門誌等を通じて自らの言葉で発信し続けておられます。
理論と実践の両面から、一貫して自治体行政の現場に温かく寄り添ってくださるそのお姿は、心から信頼し尊敬する行政官のお一人です。

◆「人口と地方自治」~多様な人口概念と向き合う
この日の懇談では、植田さんが昨年、雑誌『地方自治』9月号に寄稿された巻頭論文「人口と地方自治について」を中心にお話を伺いました。
この論文では、急速な人口減少と各分野での人手不足という厳しい現実を直視しつつ、地方行財政を持続可能にするための方策が深く考察されています。
特に私が感銘を受けたのは、単に「夜間人口(定住人口)」の減少を嘆くのではなく、通勤・通学による「昼間人口」、地域と多様に関わる「関係人口」、さらには「外国人人口」やまだ見ぬ「将来人口」といった、多様なステークホルダーに地方自治がどう向き合っていくべきかという、広い視野からの問題提起でした。
市長として現場で格闘してきた経験を持つ私にとっても、これからの自治体経営のあり方を考える上で、大変示唆に富む内容であり、大いに議論が弾みました。

◆課題に真摯に向き合う「同志」として
懇談の中で、植田さんが私の三鷹市長としての経験や、これまでの取り組みに対して深い敬意を持ち、一定の評価をしてくださっているお気持ちが伝わってきて、心から感激するとともに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
この日は、地方自治を支援し推進する立場の植田さん、市長経験者として国と自治体の適切な連携を進めたい私の語り合いを通して、現代社会において自治体行政が直面する複雑で困難な課題に対し、お互いに逃げることなく真摯に向き合っていることを確認しました。
そして何より、お互いが、その課題解決に向けた歩みに、大きな「意義」と「生きがい」を見出していること、その思いを共有できたことは、私にとって何よりの喜びであり、明日への大きな活力となりました。

これからも、こうした志を同じくする方々との対話を大切にしながら、地方自治の豊かな未来を探求し続けていきたいと思います。

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