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「日中平和友好条約45周年世界遺産大シルクロード展」を鑑賞しました

「日中平和友好条約45周年世界遺産大シルクロード展」を鑑賞しました

三鷹市民の友人に誘われて「日中平和友好条約45周年世界遺産大シルクロード展」(東京富士美術館・中国文物交流中心・朝日新聞社主催)を訪問しました。
館内に入ると、入り口で、私が三鷹市長在任中に、美術館を訪問した際、企画展等のご説明をいただいたことがある金子朗常務理事と数年ぶりにお目にかかりました。
金子常務理事によりますと、大シルクロード展は、日本と中国の友好を象徴して、外務省・中国人民対外友好協会・中国国家文物局・中国大使館・八王子市・八王子市教育委員会が後援しているとのことて、国際的な文化交流の意義の大きさが表れています。

私は、三鷹市長在任中、東京都市区長会の訪中団の一員として友好都市北京を訪問した際には、陝西省西安市を訪ねることができました。
その際、古代中国で死者を埋葬する際に副葬された俑のうち、兵士及び馬をかたどった兵馬俑の遺跡を視察することができて、シルクロードへの想いを深めたことがあります。
また、2018年4月、日中友好条約40周年・日中友好都市交流45周年にあたり、中日友好協会から全国市長会に招へいがあり、「第14次全国市長会代表市長中国訪問団」の一員として、北京・江西省・上海を訪問しました。
その年の10月には、中国人民対外友好協会・中国日本友好協会の招待による「日中平和友好条約締結40周年記念レセプション」に全国市長会会長代理として出席する機会を得てまことに光栄でした。

さて、2014年世界遺産に登録されたシルクロードは、約5,000キロメートルの遺跡群と仏教の石窟寺院など33の遺跡が含まれているとのことで、シルクロードを構成する敦煌はじめ重要な地域を直接に訪問することは私には困難です。
そこで、大シルクロード展への訪問は、身近な東京八王子市でのシルクロードとの出逢いとなりました。
美術館の主任学芸員の宮川謙一さんは友人の知人であったことから、幸いにも、本企画展に関わっている宮川さんに説明していただきながら、名品を丁寧に鑑賞することができました。
宮川さんによれば、中国国内の27か所の博物館や研究所の協力によってこの展覧会が実現されたとのことです。
シルクロードは申すまでもなく、東洋と西洋を結ぶ古代から重要な交流、通商ルートであり、だからこそ、多様な民族が興亡した文化融合の地でもありました。
本展覧会では、中国の洛陽、西安、蘭州、敦煌、新疆地域など各地の主要な博物館、研究機関の所蔵する文物の中から、シルクロードの器、杯、織物、楽器、装飾品、貨幣、食器、鏡、仏教典、仏像等の多様な名宝が約200点紹介されています。
シルクロードの名前を象徴する蚕(かいこ)、絹織物には目を見張りました。
湿度が低く、乾燥している土地ゆえか、よくぞ、2千年の時を経て、残されていたと思う名品もありました。
特に、遣唐使など日本との縁が深い唐時代を中心とした名品が多かったように思います。
写真撮影は禁止されていましたので、それを紹介することができないのは残念ですが、「重要文物」と赤字で明示された名品は、まさに、中国の理解がなければ日本に運ばれることはないと思いますので、日中友好の絆を感じました。

また、本展覧会では新しい発見がありました。
それは「胡人」と呼ばれる民族の文化の意義です。
「胡人」の「胡(こ)」とは、古代中国の北方・西方の騎馬遊牧民の呼称であったと言われていますが、これらの民族はシルクロードで大いに文化の交流を促進しました。
そこで、たとえば日本では「胡椒(こしょう)」「胡瓜(きゅうり)」、「胡弓(こきゅう)」、「胡麻(ごま)」のように、これらの民族由来のものである事を示す日常生活に欠かせない野菜や文化があります。
これらを漢字であらわすときに「胡」という文字を使っていたことにも、日本の生活がシルクロードと密接な関係を持っていることを示しているように思います。
文化は、人々の暮らしで成り立ち、人々の交流により生まれ、育まれ、磨かれ、改善され、人間の暮らしを豊かにしてきました。
世界の平和がなければ、人々の暮らしが脅かされ、人間の生命・文化が損なわれます。

大シルクロード展を通して、悠久の時を超えて、シルクロードが象徴する国際交流の歴史が問いかけているのは「日中友好」に示されている「平和」の意義であると真摯に受け止めました。
なお、大シルクロード展は、東京では12月10日まで開催ですが、来年1月の福岡アジア美術館以降、東北歴史博物館(多賀城市)、愛媛県美術館(松山市)、岡山県立美術館(岡山市)、京都文化博物館(京都市)でも、再来年までの間に順次開催されるとのことです。

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