【観劇日記】村上春樹×フィリップ・ドゥクフレ×藤原竜也 ~娘の優しさと「世界の終り」への旅~
- 2026/01/15
- 日記・コラム, 訪問記録, 東京都
- 世界の終りとハードボイルドワンダーランド, 村上春樹, フィリップドゥクフレ, 藤原竜也, 島村龍乃介, 東京芸術劇場, 東京都歴史文化財団
1月の3連休、読書家で演劇好きの次女に誘われて、今年初となる演劇鑑賞に出かけました。
作品は、村上春樹さんの長編小説を舞台化した『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』です。
■ 開演前のコラボメニューの「甘酒」で心をほぐす娘
少し早めに会場へ到着し、娘は劇場のカフェでコラボメニューを楽しみました。
次女が選んだのは「世界の終り」と題されたドリンクで、「白桃の香る甘酒」です。
私はお酒は「甘酒」でも飲めないタイプなので遠慮しましたが、次女曰く「とてもおいしかった」とのこと。
甘酒の優しい甘みで、これから始まる不思議な物語への準備も万端です。
■ 最後列での「観劇」と、娘への「感激」
会場は、池袋駅から至近の【東京芸術劇場プレイハウス(中ホール)】。
チケットは争奪戦だったようで、私たちの席は2階の最後部席でした。
実は、私の前の席にいらしたのが比較的座高の高い方でして、前半の幕は、舞台を見るのに少々苦労いたしました。幸い最後列でしたので、後ろの方を気にすることなく、背伸びをしてなんとか鑑賞しました。
すると、それを見かねたのか、休憩時間に次女が「席を代わろうか?」と言ってくれたのです。 おかげで後半は、視界の開けた席でゆったりと落ち着いて舞台を楽しむことができました。
娘のおかげで無事に「観劇」できたこと、そしてその優しさに、母親として大いに「感激」いたしました。
■ 才能が響き合う舞台
さて、肝心の舞台は「原作:村上春樹さん×演出:フィリップ・ドゥクフレさん×主演:藤原竜也さん」という豪華な組み合わせです。
原作は村上さんの作品の中でも少し難解とされる小説ですが、原作を何度も読み込んでいる次女と、実は一度も読んだことのない私。
「予習バッチリの読者」と「真っ白な状態の観客」が、それぞれこの複雑な物語をどう受け止めるのかも楽しみの一つでした。
幕が開くと、そこにはフィリップ・ドゥクフレ氏の演出による身体表現と映像が融合した、独創的な世界が広がっていました。
主演の藤原竜也さんの圧倒的な存在感はもちろんですが、この日(公演2日目)、「世界の終り」役を演じられたWキャストの島村龍乃介さんの演技には目を見張りました。
彼にとっての初演日だったようですが、その透明感と繊細な表現は実に見事で、舞台に新たな輝きを放っていました。
■ 35年目を迎えた劇場への想い
この東京芸術劇場は、平成2(1990)年10月に開館して以来、今年で35年目を迎えます。
懐かしく思い出すのは、私が東京工科大学の教授を務めていた頃のことです。当時、この劇場は東京都教育庁が所管する外郭団体「東京都教育文化財団」が管理しており、私もその理事を務めていたご縁で、視察を兼ねて何度か訪れました。
2002年からは、組織が改組されて、生活文化局のもとで、東京都歴史文化財団が管理運営を担っており、2009年から芸術監督を務められている野田秀樹さんが、2025年秋に文化功労者に選出されたことも記憶に新しいです。
歴史ある劇場で、世界的な才能と娘の優しさに触れた、忘れがたい新年のひとときとなりました。
この演劇は、2月1日(日)までの上演でしたが、再演が期待されます。
清原慶子 Official Website
