エントリー

【関係省庁による「いじめ防止対策」の緊急対応と、文部科学省塩見みづ枝総合教育政策局長・望月禎初等中等教育局長との「対話」から考える教育の未来】

【関係省庁による「いじめ防止対策」の緊急対応と、文部科学省塩見みづ枝総合教育政策局長・望月禎初等中等教育局長との「対話」から考える教育の未来】

1月16日、17時30分よりこども家庭庁にて「第6回いじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議」が開催されました。 私はこの会議のメンバーではありませんが、現在は文部科学省・こども家庭庁による「いじめ防止対策協議会」委員として、昨秋までは「いじめ重大化要因等の分析・検討会議」の座長として関心を持って、公表された資料を確認し、国として、そして社会全体として取り組むべき喫緊の課題について思いを巡らせました。

■ SNS上の暴力行為等の動画の投稿・拡散を受けた【こどもの暴力行為・いじめに係る緊急対応】
今回の会議は、年明けにSNS上で生徒による暴力行為等の動画が拡散された事案を重く受け止めて開催されたものです。会議は以下のメンバー(敬称略)で構成されています。
議長:こども家庭庁支援局長:齊藤 馨・文部科学省初等中等教育局長:望月 禎
構成員:警察庁生活安全局長:山田 好孝・総務省大臣官房総括審議官:藤田 清太郎・法務省人権擁護局長:杉浦 直紀・経済産業省大臣官房審議官(商務・サービス担当):浅井 俊隆(代理)
公表された資料を読むと、会議では以下の緊急対応方針が確認されたようです。
まず、3学期中に、アンケートや端末を活用して、見過ごされているいじめがないか緊急確認を行うこと。
また、暴力行為は犯罪にも該当し得ることを指導し、警察との連携による「断固たる姿勢」を明確にすること。
そして、SNSでの動画拡散によるデジタルタトゥー等の人権侵害を防ぐため、削除要請の手順周知や情報モラル教育を徹底することなどが盛り込まれています。
こどもたちの尊厳を守るために、関係省庁が連携し、毅然とした対応方針が打ち出されたものと拝察します。

■ 文部科学省望月禎・初等中等教育局長との「対話」~特別支援教育とラウンドテーブル~
いじめ防止対策省庁連絡会議の議長を務められた文部科学省の望月禎初等中等教育局長とは、新年にお会いし、対話をする機会がありました。
その際、今回のいじめ・暴力に関する緊急対応とともに、話題の一つとなったのが「特別支援教育」です。
私は現在、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会において、「特別支援教育ワーキンググループ」の主査を務めております。
望月局長とは、次期学習指導要領に向けた教育課程の在り方について、障害のあるこどもたちの学びの連続性や、デジタル学習基盤の活用、自立活動の重要性や通級による指導の充実などの論点について対話しました。
いじめ防止対策もそうですが、一人ひとりのこどもたちの特性や状況に寄り添う教育の実現は、私たちにとって極めて重要なテーマです。
また、望月局長とのご縁は、局長が以前、総合教育政策局長を務められていた時に遡ります。
当時も中央教育審議会生涯学習分科会長であった私は、副分科会長の皆様と共に局長室を訪問し、局長室の円卓(ラウンドテーブル)を囲み、当時の里見朋香審議官や八木和広社会教育振興総括官)、そして各関係課長の皆様と車座になって語り合いました。
それは職位や立場を越えた、まさに「ラウンドテーブル・ディスカッション」でした。
望月局長ご自身も極めてざっくばらんに意見を話してくださり、形式的な報告にとどまらない本音の対話を通じて、深い信頼感と一体感を醸成することができたのです。

■ 文部科学省塩見みづ枝・総合教育政策局長との対話~現場の実態を踏まえた社会教育の在り方~
新年には、塩見みづ枝総合教育政策局長ともお目にかかり、社会教育の在り方に関する「ラウンドテーブル・ディスカッション」をしましょうと語り合いました。
そして、1月16日の午前中には、文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会に設置されている「社会教育の在り方に関する特別部会」の第14回の会議が開催されました。
会議には、塩見局長と、神山弘社会教育振興総括官がずっと同席されました。
会議ではまず、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターの佐藤貴大センター長と志々田まなみ総括研究官より、『社会教育主事と社会教育士の配置・在り方に関する調査研究・中間報告』の報告を受けました。
これは、自治体の社会教育担当者や、現場で活動する社会教育主事・社会教育士へのアンケートに基づく貴重な実態報告であり、これからの審議を進める上で大いに力となるものです。
その報告を踏まえ、昨年4月から年末まで審議を重ねてきた「地域コミュニティの基盤としての社会教育の推進方策」に関する諮問における審議事項2である「社会教育活動の推進方策」に関するとりまとめ案」について、さらに今後検討を開始する審議事項3「国・地方公共団体における社会教育の推進体制等の在り方」について、委員間で活発な意見交換を行いました。
審議事項2に関する意見の整理(案)では、部会長である私と萩原なつ子副部会長・牧野篤副部会長と事務局で検討して、「社会教育活動の推進に向けた基本的認識」について、次のように記載しています。すなわち、
「社会教育活動には、地域住民の、開かれたプラットフォームとしての役割が期待される。また、社会教育は、単なる学習機会の提供ではなく、民主主義と住民自治を成立させるための社会的基盤であり、ひいては地域全体の「ウェルビーイング(well-being)」の向上に貢献する。社会教育の優位性を最大限に生かし、住民の「自己実現」と「社会貢献」を両立させる活動設計が求められる。今後の社会教育活動の推進に当たっては、地方自治体としての一体的な施策の「基礎」として社会教育を位置づけ、共通の目標をもって人づくりや活動づくりが求められる。」と。

■ 全国の都道府県等との「対話」の実践と地域の実情に応じた社会教育の確保
この案を踏まえた委員の皆様との意見交換の後で、塩見局長と神山総括官に発言をお願いしました。
神山総括官からは、現在、ご自身をはじめ、高田地域学習推進課長、林社会教育企画調整官といった文科省事務局の皆様が、全国の都道府県及び指定都市の社会教育担当者と直接対話を重ねていることが紹介されました。
現場の声を、直接、傾聴する姿勢に深く共感いたしました。
また塩見局長は、かつて社会教育課長を務められたご経験を踏まえ、「少子化が進む中であるからこそ、自治体の実情に応じた社会教育の維持・推進を通して、民主主義や住民自治の実現が図られる意義は大きいことから、特に小規模自治体においても社会教育が有意義にその機能を果たしていくことが重要である」と力強く話されました。

■ 総合的な教育の未来へ
いじめ対策という喫緊の課題への対応、特別支援教育についての丁寧な制度設計、そして、地域社会における学び・つながりづくり・地域づくりの基盤(プラットフォーム)である社会教育、 これらは決して別々のものではなく、こどもたちとおとなの【ウェルビーイング】を実現するために相互に深く結びついた要素であると考えます。
塩見局長、望月局長との「対話」に示されている現場への眼差し、そして、委員の皆様、文部科学省やこども家庭庁の職員の皆様との協働の信頼関係、それらを胸に、私は中央教育審議会委員やこども家庭庁参与としての活動を通じて、学校と地域社会が手を取り合う「総合的な教育活動」、民主主義と住民自治の実現に向けて、誠心誠意、力を尽くしていきたいと改めて思います。

※いじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議(第6回:令和8年1月16日)
https://www.cfa.go.jp/councils/ijime-kaigi/19c4af12

ユーティリティ

記事検索Entry Search

Search
キーワード

過去ログArchives

RSS Feed