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シンガポールで出会った女性たち(その2)日本語・英語・ロシア語の通訳で活躍するロシアの「言語の達人」

シンガポールで出会った女性たち(その2)日本語・英語・ロシア語の通訳で活躍するロシアの「言語の達人」
  • 2019/06/23 19:46

2019年6月11日から14日まで、私は委員を務めている「内閣官房郵政民営化委員会」の公務出張でシンガポールを訪問しました。
出張の報告については委員会として公式にまとめます。
ここでは、前回の岩崎さんに続いて、この出張で出逢った女性たちについて皆様に紹介したいと思います。

日本語・英語・ロシア語の通訳で活躍するロシアの「言語の達人」
株式会社BSB通訳 代表取締役社長・代表会議通訳 ゼクリア・ナタリア(Zekria・Natalia)さん

2019年6月11日から14日まで、委員を務めている「内閣官房郵政民営化委員会」の公務出張でシンガポールを訪問した際に、日本語と英語の通訳を担当していただいたのは、ゼクリア・ナタリアさんです。
ナタリアさんは、横浜市に所在する株式会社BSB通訳の代表取締役社長・代表会議通訳です。

彼女のお母様はロシア人でお父様はアフガニスタン人とのことで、複数の文化を持つ両親に育てられたからか、大学に進学するときは、モスクワ国立言語大学の通訳学部を選ばれました。
この大学の通訳学部は、日本を含む他国の一般の学部と異なり、なんと5年制で、卒業の時には修士号が与えられるそうです。
そして通訳学部では、学生は22のロシア語以外の言語の中から必ず2つの言語を選ぶことを求められるそうで、彼女は、日本語・英語・ロシア語の3か国語を選んだそうです。

ところが、日本語は大変に人気があり、日本語専攻の定員はその時は5人だけでした。まさに大きな困難があったそうです。
しかも、彼女にはそれまで、日本語と縁があるような出来事や日本人との出逢いがあったわけではないそうですが、通訳をするなら日本語を中心にしたいと強く思っていたので、熱心に日本語専攻の選考に臨んで、その年度は6人の定員となり、彼女は日本語専攻の一人として選ばれたそうです。

大学3年生の時の1992年から1993年までの1年間広島大学教育学部に留学されて、西条キャンパスで、日本語だけでなく、日本人の生活・文化・経済・地域・自然等との実際を経験し、体感して、ますます日本が好きになったとのことです。
その後、11年間に亘って独立行政法人国際協力機構(JICA)東京本部の専属通訳として日本国政府の国際協力案件に従事し、2012年にシンガポールで通訳の会社を開業され、政府・自治体及び多くの日本企業の500以上の案件を担当し、通訳されてきました。

ナタリアさんはロシア人の配偶者の仕事の関係で、2017年3月からは通訳の事業の本拠を日本に移したそうです。
現在6歳と10歳のお子さんはインターナショナル・スクールに通学されているとのことです。
日本に本拠を移されたので、今回のシンガポールでの通訳の仕事をなさるために、わざわざ日本から来ていただくことになりました。
お子さんは配偶者がみてくださっているということで、優れた通訳者であり、母親でもあるナタリアさんの活躍を実現する、配偶者の理解と支える力を感じます。

さて、ナタリアさんの通訳としての仕事ぶりですが、視察相手や郵政民営化委員会委員から繰り出される専門用語が満載の説明や質疑応答について、明瞭に、しかも極力簡潔に通訳する実力は、本当に確かなものと感じました。
しかも、長らく日本の各省庁に指名され、シンガポール政府との多くの国際会議や政府間交渉の通訳をされてこられた経験をお持ちであることから、シンガポールの実情に沿った説明力によって、私たちの理解も高まりました。

特に、初めてのシンガポール訪問となる私にとっては、視察に同行していただいた在シンガポール日本大使館の一等書記官による丁寧な説明に加えて、生活経験のある彼女によるシンガポール政府や経済界の動向についての補足的説明が役に立ちました。
通訳としてだけでなく、長くシンガポールに住んでいた経験からの生活者としての情報も役立ったのです。

彼女は通訳の専門家として私たち視察団の視察の主旨や問題意識を最大限に尊重していただく謙虚さを保ちつつ、見事な通訳技術を発揮され、滑らかなコミュニケーション能力を活かす颯爽とした姿は、女性活躍を体現される一人の専門家として、実に麗しく、頼もしいものでした。

今では陳腐な表現となっていますが、いわゆる「キャリア・ウーマン」として、日本語・英語・ロシア語の通訳の技術を活かす「言語の達人」として、医療、M&A、保険事業、交通等の幅広い分野で、複数の国家間の学術交流、国際交流や経済交渉に貢献するナタリアさんの活躍が、これからも続くことを確信しています。

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