エントリー

命の番人─ゲートキーパー─

命の番人─ゲートキーパー─

私が三鷹市長就任してまもなく、ある職員が自死しました。
その時には、ご遺族様はもちろんのこと、同僚職員も、身近にいながら気づかず力になれなかったことを深く悔いていました。
その姿は、まことに痛々しいもので、私も力不足を痛感したものでした。

その後、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤独・孤立」を防ぎ、支援するゲートキーパー研修を職員研修の一環として導入し、私自身も職員と共に受講して、学びました。

なぜ「ゲートキーパー」すなわち「門番」と呼ぶかというと、自殺の危険を示すサインに気づき、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守るという適切な対応を図る取り組みは、言わば「命の門番」といえるということです。

この研修を導入したとき、担当の職員から言われました。
私の誕生日は9月10日で【世界自殺予防デー】であることから「この取り組みを行うのは天命ですね」と。

現在、社会には個人の多様な悩みを相談する機関や手段は多く設置されています。
けれども、一般に人から相談されることが多いタイプの人の場合には、自身が深い悩みに陥った時、なかなか他者に相談することができない傾向があるとも言われています。

気軽に相談ができない人が抱えている悩みに気づき、その悩みに寄り添い、なんらかのカタチで支えることが必要な場合があります。

言葉で表せない気持ちや悩みを抱えている人には、言葉をかけなくても、言葉が返ってこなくても、ただそばにいるだけでよい場合、ただ並んで座っているだけでよい場合、ただ一緒に同じ場所で同じ時間を過ごすだけでよい場合もあるように思います。

ユーティリティ

記事検索Entry Search

Search
キーワード

過去ログArchives

RSS Feed