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山梨県韮崎市の韮崎市民交流センターNICORIの取組みを視察しました

山梨県韮崎市の韮崎市民交流センターNICORIの取組みを視察しました

9月21日、山梨県韮崎市役所を訪問し、内藤文夫市長による「こどもまんなか応援サポーター宣言」に、こども家庭庁参与として立ち会いました。
その折に、内藤市長に韮崎駅前の韮崎市民交流センター NICORI ニコリをご案内いただきました。
最初にご案内いただいたのは、1階の「ふるさと偉人資料館」で、公民館、市民活動支援室、公民館会議室をはじめ会議室が多く設置されています。
2階には「韮崎市立大村記念図書館」がありました。この図書館は、韮崎市出身で、県立韮崎高校から山梨大学を経て東京理科大学大学院で学ばれ、2015年にノーベル生理学・医学賞及び文化勲章を受章された大村智博士を顕彰して、「大村博士コーナー」も設置されています。大村博士は「一般財団法人韮崎大村財団」の名誉理事長、韮崎大村美術館長をおつとめです。

そして、3階には、韮崎子育て支援センター「にら★ちび」があります。
この施設はNPO法人子育て支援センターちびっこはうすが指定管理者として運営しています。当日は、韮崎市長、韮崎市の横森弘樹こども子育て課長とともに、理事長の内藤香織さんにも施設内をご案内いただき、運営の状況についてご説明をいただきました。
韮崎子育て支援センター「にら★ちび」の運営の理念は以下の通りです。
こどもの笑顔のために、養育者の笑顔のために
こどもを「産み育てやすい」環境整備
「群れて子育て」する場の提供
「韮崎♡愛」を育む場の提供
子育てにやさしいまち韮崎を目指します

日常的には「子育てひろば(地域子育て支援拠点事業)」を中心に、「子育て相談(利用者支援事業)」「韮崎市ファミリーサポートセンター」「一時預かり」「子育てボランティア(地域支援)」「韮崎子育て応援団(地域支援)」の各事業を実施するとともに、「子育て講習イベント」「子育て交流イベント」をはじめ、市内の公民館・図書館・学校・商工会・サッカー協会等の各団体の連携を促進する「韮崎まちぐるみ応援イベント」を実施しています。
センター内は基本的に木材を利用した遊具が整備されています。特に、縄文時代の遺跡が多いことを反映してた手作りのコーナーが温かさを感じさせます。
こども家庭庁が推進する「こどもまんなか応援サポーター宣言」に先行して、韮崎市では、主として事業者の皆様の参画を促して「あかちゃんにやさしい事業者宣言×ベビーファースト運動」の輪を広げています。その宣言もセンター内に掲示しています。
また、韮崎市内の中学生や高校生が協力してくれることもあり、高校生が描いた絵も展示されていました。
内藤市長が「NPO法人の皆さんの前向きでこどもたちのためにと進めている創意工夫と実行力で、子育て支援センターの事業が充実してきています」と語ると、NPO法人子育て支援センターちびっこハウスの内藤香織理事長は、「私たちの提案を可能な限り柔軟に反映して、市役所が市民であるこどもの視点、子育て中の皆さんの視点を尊重してくれていることは心強いです」と語ります。

協働とは、市と関係団体が目標を共有して、対等に、相互理解をもとに改善しながら進めるという実践が、韮崎市では進められていると感じます。
また、私の講演と内藤文夫市長による「こどもまんなか応援サポーター宣言」の後の午後の時間には、ニコリの地下1階に整備されている青少年育成プラザ「MIAKISミアキス」を訪問しました。
この施設を運営しているのはNPO法人河原部社で、理事長の西田遥さんがご案内してくださいました。
このNPO法人は「やって、みせる。」をポリシーに、全員複業型「NPO×自分の生業」で働いている若者集団ということです。
自分たちの未来を自分たちでつくっていくために、公共事業への若者参画や若者育成を行っています。
韮崎市が河原部村と呼ばれていた時代から、人の往来や物流の拠点として栄え、独自の文化を、人を、育んできた地域が活動の舞台でありうことを踏まえて、NPO法人の名称を「河原部社」としたそうです。
このミアキスは、中学・高校生の拠点として、学校や学年を問わず、13歳から18歳の中高生たちが、自由に過ごすことのできる空間です。
「小学生はだめですか?」と尋ねましたら、「はい、だめです」ということで、徹底しています。このように、「中高生にとっての家でも学校でもない居場所をつくろう」と、韮崎市と地域の大人たちがともに立ち上がり、2016年10月に開設されたのです。ここは、中高生にとって地域の中の「居場所」であり、中高生との日々の関わりを通して中高生に向けたあらゆるきっかけを提供しようとしています。
このユニークな取り組みをしているミアキスは、2021年に「第12回地域再生大賞」を受賞しています。
この場所で育った若者がスタッフとして働いているとのことでもあり、このユニークな取組みに期待したいと思います。
しかも、NPO法人子育て支援センターちびっこハウスの内藤香織理事長や、ニコリの1階に設置されている韮崎市移住定住相談コーナーの相談員の内藤慶子さんもNPO法人河原部社の理事をつとめているとのことですので、「市民交流センターニコリ」の運営には、まさに、名称通りの多世代の男女平等参画による市民交流のカタチがみられるように思います。

韮崎駅前の市民交流センターの視察を通して、私は、韮崎市の内藤文夫市長による「こどもまんなか応援サポーター宣言」は、宣言してから行動を起こすのではなく、市民・NPO法人・企業等との目標の共有、対等性、相互理解を踏まえた「協働」の実践が先行したうえでの宣言であったと受け止めました。
今後の韮崎市民の皆様のお取組みの深化を願っています。

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