【ある三鷹の農家の記憶】との出会い
先日、三鷹市議会の宍戸治重・元議長から連絡がありました。
まちなか農家の1人としてつくった夏野菜が盛りを迎えていてぜひ食べてほしい、そして、5月に本を出版したのでぜひ読んでほしいとのことでした。
そこで、お久しぶりに三鷹市野崎のご自宅を訪問しました。
確かにお庭のトマト 畑は、たくさんのトマトが実っています。
しかも、その種類は多様で、いろいろな形、色や大きさです。
宍戸さんは5月に三鷹市内のぶんしん出版から発売された『ハルさんのおぼえがき』について紹介してくださいました。
副題に【ある三鷹の農家の記憶】とありますように、三鷹市内の農業が都市化の影響を受ける以前の三鷹の農家の暮らしと、都市化が進む中での暮らしを、その変遷を経験した農家の1人として書かれた著書とのことです。
目次は、以下の通りです。
1.1月から12月それぞれの暮らしの記憶
2.子供の遊び
3.古い言葉
4.ハルさんが市議会議員になるまで
たとえば、1月には、元旦、お雑煮、お正月のご馳走から始まる事柄が書かれています。
そして、12月は、煤払い、正月の準備、大晦日などまで、三鷹の農家の暮らしの1年間が細かく書かれています。
【子供の遊び】には、森の駄菓子屋さん、草や木で遊ぶ、虫と遊ぶ、が書かれています。
そういえば、宍戸さんは長年にわたり【カブトムシ】を育てていらっしゃいました。
【古い言葉】としては、三鷹市にもあった【方言】を五十音順に約350の言葉が紹介されています。
たとえば、【押す】を【オッペス】ということ、【帰る】を【ケール】ということなどです。
さて、宍戸さんと私は、1977年、三鷹市が当時の法律に基づいて市議会の議決を経て初めて制定された『三鷹市基本構想』を基礎とした『第1次三鷹市基本計画』を策定する際に設置された市民参加組織【まちづくり市民会議】に委員としてそれぞれ指名され、ご一緒に委員を務めました。
宍戸さんは農協青年部代表、私は学生代表でした。
そして、宍戸さんは1999年に市議会議員になられ、私は2003年に三鷹市長に就任して、三鷹市の二元代表制のそれぞれの役割を果たしつつ、市民本位の【協働のまちづくり】をご一緒に進めできました。
また、宍戸さんが市議会議長を務められていた際には、都立井の頭恩賜公園が、2017年11月に開園100周年を迎えました。
そして、天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后陛下)が、井の頭恩賜公園を非公式に行幸啓され、当時の武蔵野市の市長・議長と三鷹市長であった私と宍戸議長とで歓迎し、同行させていただきました。
それだけでなく都立井の頭自然文化園の会議室で昼食をご一緒するという光栄にも恵まれました。
宍戸さんと私はこの光栄な記憶を大切にしています。
そして、この日、宍戸さんは、トマト好きの私に多種類のトマト をわけてくださいました。
猛暑が続いているこの頃、これらの多様なトマト のリコピンが、爽やかに元気の素を私の体に染み込ませていくような気がします。


