三鷹市地域ケアネットワーク合同研修会で描かれたそれぞれにとって求める【居場所】のイメージ
三鷹市には、2004年に開設された井の頭地区を皮切りに、7つのコミュニティ住区に、市民ボランティアによる7つの【地域ケアネットワーク】が活動しています。
私は、三鷹市長退任直後から、自身の地元の【地域ケアネットワーク新川・中原(ケアネットしんなか)】でボランティア活動を開始しています。
それは、この【地域ケアネットワーク(ケアネット)】は私が三鷹市長の1期目に挑戦する時、【マニフェスト(公約)】に掲げた「実行に移す《7つのポイント》」のうちの「1.高齢者や障害者に安心を、安全で便利なバリアフリーの推進を」に「(2)『地域ケア日本一』の実現」を含めていまたこと、そして、それを市民の皆様が各コミュニティ住区で具体化していただいていることから、市長を退任して地域に戻って、1人の市民としてケアネットしんなかの活動に、ボランティアの1人として参画することにしたのです。
そして、2023年6月から2025年6月からは、委員の選挙で選出されて、3名の副代表の1人としてを2年間、役割を果たしました。
そして、7つのケアネットの代表者会議に、代表の畑谷貴美子さんとともに、副代表が交代で出席する中で、幸いにも、この2年間、7つのケアネットの研修会の企画が議題になるときに出席するめぐりあわせにありました。
そこで、2024年度の研修テーマを検討する際に「地域コミュニティの現状」に関するテーマが話題となったことから、三鷹市で私が市長時代に町会・自治会活動振興のために創始した【がんばる地域応援プロジェクト】事業で助成金の選考委員を当初よりつとめていただいている地域コミュニティづくりの第1人者である法政大学教授の名和田是彦先生を講師として招くことを提案したのです。
名和田先生とは、全国市長会と(公財)日本都市センターの共催による地域コミュニティに関する調査研究会でもご一緒していましたので、信頼できる方であると推薦しました。
その提案が会議で承認されて、名和田先生を講師とする、【地域ケアネットワークのめざすもの】と題する合同研修会が行われたのです。
そして、2025年度の研修テーマを検討する際に、「地域の居場所づくり」がテーマとして提起されたことから、私は独立行政法人国立女性教育会館理事長で立教大学大学院社会デザイン研究科の元研究科長で現在は名誉教授の萩原なつ子先生を推薦しました。
萩原先生は、日本NPOセンターの直前の代表理事でもあり、各地域の公益活動に詳しい方です。
この数年は、文部科学省中央委教育審議会の委員をご一緒に務めるとともに、私が分科会長を務めている生涯学習分科会の副分科会長として頻繁に対話をしています。
独立行政法人国立女性教育会館理事長として、全国を飛び回っていらっしゃいますが、幸い、お時間をとっていただくことができて、このたび、【地域の中にあるもうひとつのわたしの居場所】と題して、グループワーク形式による講演をしていただきました。
ケアネット代表者会議において、各ケアネットの皆様からは、自分たちの学びの機会とするだけでなく、市民の皆様にケアネットについてしっていただき、これから、その取組みに【居場所】として参加していただくきっかけを提供したいという意見が出て、この日は、ケアネットのメンバー60名ほどに加えて、約20名の市民の皆様が参加してくださいました。
会場の三鷹市公会堂さんさん館視聴覚室には、14のグループ別に席が用意されています。
司会は、ケアネットしんなかの畑谷代表で、まず、ケアネット井の頭の代表がケアネットメンバー以外の方にケアネットの特徴がわかるよな説明を含めて開会の挨拶をしました。
続いて、三鷹市役所を代表して、小嶋義晃・三鷹市健康福祉部長が、研修会の趣旨を説明し、その意義の実現への期待を表明しました。
そして、萩原先生のリードに基づいて、まずは各グループの5、6名のメンバーが自己紹介をし合います。
そして、先生が居場所の現代的意義、サードプレイスの効果、ウェルビーイングな地域づくりの意義と必要性について国の政策やSDGsの目標などを説明され、少子長寿化にあって、地域における【居場所】と【出番】の重要性が述べられました。
その後、萩原先生のリードで、各グループごとに、各自が必要とする【居場所】、各自が望ましいと思う【居場所】について、考え合い、話し合うワークショップを行いました。
その上で、各グループがそれぞれの話し合いに基づく望ましい【居場所】について、ネーミングや機能の特徴などを紹介し、共有しました。
私は第6グループで参加しましたが、2名は既知の方で、2名は初対面の方でしたが、【居場所】をキーワードにすることで、和やかなうちに話し合うことができました。
総じて、①初対面の人でも気軽に参加できる居場所、②温泉・飲み物・音楽・花や木があり、健康的に安心して集うことができる居場所、③こどももおとなも大きな声を出しても嫌がられない、おしゃべりや対話が弾むような居場所の必要性や期待が語られました。
そして、【趣味・興味は世代や国籍を超える】という視点から、多様で多世代の交流と理解が深まるような居場所づくり、生成AIなどについても適切に活用する方向で学び使う機会なども提起されました。
他のグループの発表を聴かせていただき、共通しているのが、【コミュニティ・カフェ】のような機能、経済的からしてからも運営に無理がない居場所、コミュニティセンター機能の活性化やヨコ連携の方向性など、【居場所】についてのびのびとした前向きの意見が交わされたようです。
合同研修会への参加者が、決して受け身ではなく、みずからが考え、発表し、共有し、交流する研修会になったように思います。
合同研修会の終了後、数名の参加者の皆様と対話をされた萩原先生を、私は感謝を込めて三鷹駅まで送らせていただきました。
萩原先生とは、今週、中央教育審議会生涯学習分科会【社会教育の在り方に関する特別部会】でご一緒します。
三鷹市の市民の皆様との出逢いが、私だけでなく、全国で活動されている萩原先生にとっても、今後の審議のチカラになることを信じています。
清原慶子 Official Website
