【全国こども食堂支援センター・むすびえの2025年度 こども食堂全国調査発表会・サポート交流会に顧問として参加】
この発表会は12月11日(木)午後、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえが主催して、都内の会場とオンラインを結んだハイブリッドで開催されました。
私は会場で参加し、会場には多くのメディアの記者さんとサポーターの皆様が参集し、調査研究の発表を注目しました。
まず、主催者を代表としてむすびえの三島理恵理事長が挨拶し、北川淳也ディレクター、井上紀子プロジェクトリーダー、尾木和佳子プロジェクトリーダーが、以下のように最新の調査結果を報告しました。
1.全国こども食堂の箇所数
〇全国こども食堂の箇所数は2025年度速報値で、全国で12,601箇所となり、過去最多を更新しました。本調査により、こども食堂が地域社会に深く根付いている実態が、具体的な数値として明らかになりました。
〇こども食堂は、昨年度から1,734箇所増加して、これは過去最も増加した2023年度に迫るものです。
〇一方で昨年度比約600箇所の減少も確認されましたが、この減少分を加味すると、今年度は実質2,000箇所以上が新規に開設されたことになり、極めて活発な活動が続いています。この減少分には、こども食堂としての食事の提供はやめても、その他のこどもたちへの活動を継続しているものが含まれているとのことです。
〇インフラの規模として、この箇所数は、全国の公立小学校数のおよそ7割に迫る規模となっています。小学校区ごとの充足率は約4割に達しており、身近な地域の居場所としての機能が高まっています。
2. 【調査の目的と認知状況】
むすびえは、こども食堂の「認知・イメージ」と「実態」のギャップを埋めるたために、「こども食堂の認知調査2025」もは実施しました(対象:全国4,700名)。
〇認知率: 名前や内容を知っている人の割合は約9割に達しました。
〇世代間の課題: 主な情報源はテレビであり、女性や高年層の認知が高い一方、20代女性の認知は相対的に低い傾向にあります。
〇役割への期待: 「食事提供」だけでなく、「ひとり親家庭支援」や「子どもの見守り(虐待防止)」といった多面的な役割が期待されています。
3. 現場の課題と「小さな物語」
運営の困りごととして明らかになったのは、物価高騰の影響を受け、運営資金や食材(特にお米)の確保でした。
調査研究の報告の後、事例報告として、東海林尚彦さん(埼玉県こども食堂ネットワーク)、望月志保 さん(あさかニコまる食堂)が会場で、和歌山県こども家庭局こども未来課の吉川洋平主査がオンラインで参加され、具体的な日常のこども食堂の取組みとネットワークが自治体・企業や地域住民との連携を生んでいる姿が具体的に報告されました。
その後の、サポーター交流会には、こども食堂に関する書籍をヒアリングに基づき刊行されたもちなおみさん(絵本作家)、企業としてサポートしている太田敦さん(スターバックス・コーヒー ジャパン)、その他個人寄付者の皆様が参加され、三島理事長やむすびえの職員の皆様と意見交換し、交流しました。
実は、この日は、むすびえが誕生して7回目のお誕生日でもありました。
そこで、三島理事長からは、こども食堂の箇所数という数字だけでは表れない【心の交流】のエピソードが共有されました。
すなわち、数字には表れにくい価値として、現場で生まれる【心の交流】や、【こどもたちの成長】【大人のやりがい】といった日常に生まれる【小さな物語】の重要性に注目すべきだと、私も思います。
初めて食べた食材のおいしさに目を輝かせる小学生の姿、こども食堂での経験から「社会福祉士になりたい」と夢を抱き、ボランティアを「恩返し」と語る大学生のエピソード、家では何もしない子が、食堂ではすすんでお手伝いをする姿を見て感激する保護者の姿など、こども食堂をめぐる関わった人々のエピソードが泉のように現場では生まれています。
さて、サポーター交流会の最後に、私は三島理事長の紹介で、むすびえの顧問として、設立7周年を迎えたむすびえの取組みについて、下記のような特徴を説明し、感謝の挨拶をさせていただきました。
①こども食堂の箇所数は数字で表れますが、この間のむすびえの調査の実施経過が、こども食堂への認知度を上げて、各地の取組みを拡充してきたとも言えること。
②むすびえは、こども食堂の設立支援、継続支援、特に県レベルのネットワーク構築支援を行ってきましたが、その支援を通して、こども食堂の持続可能性を高めてきたこと。
③こども食堂の運営に向けては、むすびえ独自のこども食堂基金にとどまらず、多くの企業や団体の寄付や基金の拡充をコーディネートしてきたこと。
④ 2018年1月に「休眠預金等活用法」の施行を受け【指定活用団体】となった【一般財団法人 日本民間公益活動連携機構(JAMPIA)】より【資金分配団体】として採択されていることにとどまらず、その伴走の実績を評価され、新たに設定された【活動支援団体】としても採択されているように、こども食堂への資金面のみならず、経営・コンプライアンス・人財育成支援にも力を入れていること。
⑤この日参加されたサポーターの皆様のように多様な支援の在り方が、こども食堂の持続可能性を紡ぎ出していること。
この日の報告会・交流会でも共有された【こども食堂の1つひとつの物語】は、地域のつながりの温かさを示すだけでなく、暮らしの中にある【支え合いの土台】を確かに紡ぎ直しているように思います 。
設立7周年を迎えて、三島理事長はじめむすびえの皆様の決意には、今後も人々の「やさしさ」や「願い」を結び、こどもだけでなく、多世代の誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に向けて、挑戦と学びを重ねていく決意が示されています 。
今回明らかになったこども食堂「12,601箇所」「小学校数の7割」という数値は、こども食堂がもはや一部のボランティア活動ではなく、「なくてはならない社会インフラ」になったことを証明しているようです。
そして、この日参加された文字通りの多世代で男女ともに幅広いサポーターの皆様は、必ずしも、こども食堂の日常的な活動には関われない場合においても、別の形でのサポートをされていることに心強さを感じました。
私はむすびえの顧問として、こども食堂にいろいろな形で関わるお一人おひとりのご厚情とご努力に、改めて敬意を表します。
そして、心から感謝致します。
清原慶子 Official Website
