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【こどもの未来応援フォーラム2026】に参加して~企業とNPO、官民が連携して支えるこどもの未来~

【こどもの未来応援フォーラム2026】に参加して~企業とNPO、官民が連携して支えるこどもの未来~

2026年2月5日、こども家庭庁が主催する「こどもの未来応援フォーラム2026」が開催され、私も参加いたしました。
フォーラムは、霞が関ビルのホールとオンラインによるハイブリッド形式で開催され、私は会場でリアルに参加しました。

2015年から始まった【こどもの未来応援国民運動】も10年以上が経過し、官公民の連携は着実に広がりを見せています。
実は、私は、三鷹市長在任中に全国市長会副会長をつとめていた際に、当時は内閣府に事務局があった【こどもの未来応援国民運動】の会議に、当時の全国市長会の会長の代理として出席したことがあります。
会議では、経団連・連合・全国知事会・全国市長会・全国町村会等の代表が、国民運動の在り方について真剣に協議していました。今は、事務局がこども家庭庁にあることから、私はこども家庭庁の参与としてこのフォーラムに参加できることにご縁を強く感じています。

まずは、主催者を代表して、こども家庭庁の齊藤馨支援局長が開会挨拶をされました。
国・自治体・産業界の連携で進めてきた運動は、こどもの貧困の連鎖を断ち切る取組みの必要性から生まれたこと、現在も特に家計の深刻さが増す中で、最善の利益をめざすこども・若者支援を最優先にすることの意義を語られました。

また、声なき声にどう気づくかが課題であることから、地域の多方面の支援の輪が大事であり、本フォーラムを通じたネットワーク化への期待を述べられました。
今年のフォーラムでは、支援に取り組む企業と、現場で活動するNPO団体の皆様が一堂に会し、それぞれの熱い実践報告が行われました。

◆壱番屋の「創業の精神」と「ここ一番」の想い
メイントークでは、「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する株式会社壱番屋から、総務部部長の矢野義明さん、課長の古川剛さん、主任の周防祐子さんの3名が登壇されました。
矢野部長からは、創業時からの「感謝と恩返し」の精神が語られました。
創業者・宗次徳二氏ご自身の生い立ちから生まれたこの想いは、単なる寄付にとどまりません。
30年前から児童養護施設へ生活必需品を寄贈したり、こども食堂へ社員が直接レトルトカレーを手渡ししたりと、相互に「顔の見える支援」を徹底されています。
また、社内に「ボランティア委員会」を設置し、各部署からの委員の皆さんが、主体的に活動を企画・運営するなど、従業員一人ひとりが社会課題を自分事として捉える風土づくりが素晴らしいものでした 。

全国各地に「CoCo壱番屋」というカレーのお店を展開されていますが、そのお店の名称は「ここ一番のお店」という意味だと伺っていました。
けれども、矢野部長の今後のビジョンについてのご発言で、これまで10県の児童養護施設への支援を行ってきたところ、さらに全都道府県に広げたいという力強い宣言に触れ、今は【こども】の【こ】と、【こそだて応援】の【こ】による【ここ一番】のお店でもあるのだと、深く感銘を受けました 。

◆ 「おせっかい」という名の愛、そして「若者支援」の深化
パネルディスカッションでは、現場の最前線で活動するNPOの皆様から、胸に迫る実情と実践が報告されました。
【認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク】の栗林知絵子理事長
「地域のこどもを地域で守り育てる」を掲げ、こども食堂、無料学習支援、プレーパーク、居住支援と、その活動は多岐にわたります。特に印象的だったのは、企業と連携した「としまこども団」などの枠組みを通じ、「おせっかい」をキーワードに地域全体を巻き込んでいる点です。
「どうしても必要なものは地域で支え合う」という栗林さんの姿勢は、まさに地域全体が「ファミリー」となってこどもを包み込む「愛」に基づく実践そのものだと感じました 。

【NPO法人サンカクシャ 荒井佑介代表理事】
親を頼れない15歳〜25歳の500名以上の若者支援に取り組む荒井さんからは、若者が「闇バイト」や孤立に追い込まれる深刻な実態が提起されました。
だからこそ、単なる就労支援ではなく、「居場所(居)・仕事(職)・住まい(住)」をセットで提供する「居・職・住」の伴走型支援が必要です。
「安心・意欲・自信」のステップを丁寧に支えるサンカクシャの実践に、若者支援の深化は、私たち大人全員に突きつけられた喫緊の課題であると痛感しました 。

◆ 企業の強みを活かした「ウェルビーイング」
支援する企業側からは、本業を活かしたサステナブルな支援の形が示されました。
【株式会社NTTドコモ 涌井道子サステナビリティ推進室長】
通信キャリアの強みを活かし、延べ10万回を超える「スマホ・ネット安全教室」の開催や、大阪・関西万博に行けないこどもたちのための「デジタルアート体験」など、豊かな体験機会を提供されています。
dポイントを通じた寄付など、顧客や社員を巻き込んだ「つなぐ」支援の広がりに、ICTがもたらす影を超える希望を感じました 。

【株式会社イトーヨーカ堂 小山遊子サステナビリティ推進部総括マネージャー】
「ちびっこ職場体験(コバト隊)」や、全店への拡大を目指すフードドライブなど、地域密着の店舗網を活かした活動を展開されています。
特に、学校給食の人気メニュー「たこぺったん」の商品化など、こどもの声を直接事業に反映させる取り組みも始められています。これは、こどもを「支援対象」としてだけでなく、共に未来を創る「パートナー」として尊重する姿勢の表れであり、大切な方向性だと感じました 。

◆ これから始めるあなたへ —— 先輩たちからの応援メッセージ
フォーラムの結びには、登壇された皆様から、まだ「こどもの未来応援基金」を活用していない団体や、支援に踏み出せていない企業の皆様へ向けて、登壇者から背中を押すような温かいメッセージが贈られました。
「大それたことではなく、できることからしてほしい」 栗林さんはそう語りかけました。
社内でも人手不足などで難しい店舗がある状況ではありますが、「小さく始めることが大切」と説く小山さんの言葉には、現場の実感と勇気が込められています。
また、涌井さんは「自分たちの強みを生かして、一歩まず踏み出してほしい」と呼びかけ、日本全体で支援の輪がつながることへの期待を語られました。
そして荒井さんは、「今を生きる若者の課題を知ってほしい。実は参加のハードルは低いはずです」と、まずは関心を持つこと、知ることが支援の第一歩であると力強く訴えらやれました 。

◆各地域で「寄付と実践」の輪を
これらの言葉は、これからこども・若者支援やこども・若者と連携した課題解決に関わろうとする全ての主体への「招待状」です。
特別なリソースがなくても、まずは「知る」ことから、そして「小さく始める」ことから。 企業とNPO、そして行政が手を取り合うことで、点と点は線になり、やがて地域全体を温かく包み込む「面」へと広がっていきます。
皆様の地域でも、それぞれの強みを活かした「寄付」と「実践」の輪が、一つ、また一つと生まれていくことを心から願っています。

私は、事務局を務めたこども家庭庁支援局家庭福祉課の伊藤涼子企画官と、「そうした地域の芽吹きを全力で応援し、ヤングケアラーを含む困難にあるこども・若者を支援する環境整備にますます努めていきましょう」と語り合いました。

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