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『ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームとりまとめ』について

『ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームとりまとめ』について

先日、私は「ヤングケアラー」、すなわち、家族の大人の病気や障がいのために本来大人が担うと想定されている買い物・料理・洗濯・掃除などの家事や 、幼いきょうだいや家族の高齢者や病人の介護などの世話を日常的に行なっている子どもについて、ぜひ関心を持つことが重要ではないかとの想いをお話ししました。
そして5月17日に、厚生労働省山本博司副大臣と文部科学省丹羽秀樹副大臣を共同議長とする『ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームとりまとめ』が公表されたことを知りました。

このプロジェクトチームは、

①ヤングケアラーは、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負うことで、本人の育ちや教育に影響があるといった課題があるが、家庭内のデリケートな問題、本人や家族に自覚がないといった理由から、支援が必要であっても表面化しにくい構造となっていること
②ヤングケアラーに対しては、様々な分野が連携したアウトリーチによる支援が重要であり、さらなる介護・医療・障害・教育分野の連携が重要であることから、厚労副大臣と文科副大臣を共同議長とするプロジェクトチームを立ち上げ、連携の強化・支援の充実を図る

ために設置されたとのことです。

私は、三鷹市長在任中、行政の縦割りの弊害を廃して、各部の横連携を進めるプロジェクトチームの活動を推進した経験があります。
たとえば、サステナブル都市政策検討チーム、コミュニティ創生検討プロジェクトチームなどです。
そこで、ヤングケアラーに関する国によるまずは2つの省の連携を歓迎します。

このプロジェクトチームには2つの省の副大臣を議長に、厚生労働省子ども家庭局長、文部科学省初等中等教育局長はじめ、両省の関係課長が参加して調査研究しています。
3月にスタートして、4月、5月の一般社団法人日本ケアラー連盟、ヤングケアラーの専門家、支援者、尼崎市や埼玉県の担当部署のヒアリングを含む協議を行っています。

まずは、ヤングケアラーは「家庭内のデリケートな問題であることなどから表面化しにくい構造」を持つこと、「福祉、介護、医療、学校等、関係機関 におけるヤングケアラーに関する研修等は十分でない」こと、「地方自治体での現状把握も不十分。」であるという問題の所在を明らかにしています。
そして、今後取組むべき施策として、①早期発見・把握、②悩み相談支援等の支援策の推進、③社会的認知度の向上を提起しています。

このヤングケアラーの問題のように、福祉と教育の両方に関連する社会問題は少なくありません。
地域の現場で、子どもたちが直面する課題に真正面から対峙(たいじ)して、その解決の方向性を検討するためには自治体の活躍が不可欠です。
ヤングケアラーに関する本とりまとめが有効に機能するのは、まさに地域であり、その中心的主体は自治体、学校や民間の支援団体であると思います。
ぜひ、国には、自治体や学校、支援団体への有効な支援施策を具体化してほしいと期待します。

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