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文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会(オンライン)に分科会長として参加しました。

文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会(オンライン)に分科会長として参加しました。

10月19日文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会(オンライン)に分科会長として文科省会議室から参加しました。
当日の議題は「第11期の検討課題について」であり、特に「 デジタル社会における生涯学習を考える際の重要な視点」について、お二人にプレゼンをお願いして、それを受けて意見交換をしました。

まず内田由紀子委員(京都大学こころの未来研究センター教授・副センター長)による「日本の生涯教育におけるウェルビーイング概念の適用について」のプレゼンを聞きました。
「ウェルビーイング」とは、日本語で言うならば、「しあわせ」、「生きがい」、「幸福感」というような意味合いの言葉です。
このキーワードを受け止めると、生涯学習・社会教育における「学び合い」「教え合い」の過程が、学習者相互の関係を通して、言わば「共創」の過程を生み出しています。
それがそれぞれの学習者の個人としての「しあわせ」につながるのだと思います。
そして、個人の「しあわせ」が、他者や家族、組織、地域社会、広義の社会の充実につながり、その「持続可能性」をもたらすと考えることができます。

次に、『ケイコとまなぶ』などの編集に携わって来られた乾喜一郎氏による
「社会人に学習を促すうえでの課題と個人の学習が社会に及ぼす効果」についてのプレゼンをもとに意見交換しました。

乾さんは、人と生涯学習との関係の類型を3つに分けています。
自発型、企業内学習型、非学習型、の3つです。
そして、それぞれの学習阻害要因は異なること、したがって学習を促進する在り方にも違いがあることを示されました。

お二人のプレゼンに共通していたのは、生涯学習は個人にとって有意義であるとともに、その学びを通して他者との暮らしを含む地域社会、広義の社会にとっても有意義であるということです。

今期の生涯学習分科会には文科大臣からの諮問はありません。
そこで、生涯学習分科会では、前期の分科会での検討を踏まえつつ、この間直面してきたコロナ禍の中で生涯学習・社会教育の現場の皆様が直面してきた課題をしっかりと受け止め整理し、その課題解決に向けて、生涯学習・社会教育の望ましい制度づくりにつながるような提言をしていきたいと思います。
そして、私は会議後、9月に社会教育振興総括官に就任され、当日の会議にも出席さらていた根本幸枝(ねもとこうえ)さんを訪問しました。

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根本総括官は地域学習推進課長を兼務されており、春までは生涯学習推進課長をおつとめでした。
会議後の短い対話ではありましたが、コロナ禍にあって学校教育においては、児童・生徒に1人1台パソコン(タブレット)による学習を進める『GIGAスクール構想』によるデジタル化が進む中、地域の公民館、図書館、博物館、生涯学習センターなどのデジタル化も益々求められているという問題意識を共有しました。

私は研究者として、1990年代から、情報格差、デジタルディバイドに注目して、格差是正のための情報バリアフリーの必要性と情報保障の確保を研究してきました。
生涯学習分科会での意見交換や根本総括官との対話で、生涯学習・社会教育の現場の課題解決をしっかりと受け止めつつ、デジタル時代に求められる生涯学習の適切な環境整備の在り方について、益々真剣に考えていきたいと思いました。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/siryou/1422064_00009.htm

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