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総務省を訪問し山下哲夫事務次官・吉川浩民自治行政局長と対話しました

総務省を訪問し山下哲夫事務次官・吉川浩民自治行政局長と対話しました

先日、総務省を訪問して、山下哲夫事務次官とお久しぶりに面談しました。
私は現在、総務省「行政評価局アドバイザー」及び「統計委員会」の委員を務めていますので、その取組みをはじめ近況報告をしました。
総務省は、国民生活・経済活動を支える基盤である情報通信、郵便や統計を所管しています。
また、国と地方の行政活動を支える政策評価、地方行財政、消防を担っています。そして、民主主義の基盤である選挙制度も担当しています。
まさに、国の行政と自治体をつなぐ観点で見ると幅広い分野という意味での「総務」を司る省なのだと思います。

私がアドバイザーを務めている行政評価局では、一般的には法令・税制・予算等がセットとなる政策の評価を行うとともに、規制、計画や予算を必ずしも伴わない政策も対象に評価をしています。
総務省の政策評価の部署では、政策評価審議会での提言に基づきながら、政策評価を言わば「ナビゲーション・システム」のような機能を持つツールとして活用することとしています。
すなわち、政策評価を政策ごとに優劣をつけるように評価するということではなく、それぞれの政策について、政策目標の達成に関して適切な「現在地把握」を行っていけるものとする方向で、各府省庁と共有するようにしています。
私の場合は、直接的に評価の過程には関わりませんが、各府省庁がよりよい政策を進めるための総務省独自の調査研究について、研究者として、また市長経験者としての貢献に努めています。

そして、山下事務次官は、就任される直前の総務審議官の時も、以前に行政管理局長をされていた時も、熱心に統計委員会の会議に参加されていました。
公的統計の品質向上がEBPMの基盤であると重視されているのです。
EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング/エビデンスに基づく政策立案)とは、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとする取組みのことです。
また、山下事務次官はかねて、内閣官房行政改革推進本部事務局長、その前には事務局次長をおつとめでした。行政改革を具体的に推進するためには霞ヶ関の官庁での業務改善と働き方改革も推進される必要があります。そして、それを支えるセキュアな情報通信基盤によるデジタル・ガバナンス(電子政府)や自治体のシステムの標準化などの推進も必要で、これらも総務省の所管です。
現在は新しい法律の制定とともに設立されたデジタル庁と連携しながら、デジタル・ガバナンスが推進されています。
この日の対話を通して、山下事務次官は、国民のために、地域のために、日本の国のために、民主主義のために、国で働く職員のために、行政改革、デジタル・ガバナンス、行政のDXの取組みを含む総務省の役割があるべきと認識され、強い責任感を持ってお仕事をされている姿勢を強く感じました。

その後、エレベータホールでばったりお目にかかったのが自治行政局長の吉川浩民さんです。ちょうど、外出から戻られたところで、次の打ち合わせ迄少々お時間があるということで、しばらくお話しする時間をいただきました。私は令和3(2021)年度、吉川局長が所管する自治行政局市町村課を事務局とする「地域コミュニティに関する研究会」で委員として研究活動に参画しました。ちょうどコロナ禍でしたので、もっぱらオンライン会議ではありましたが、吉川局長は必ず研究会に参画されました。この研究会では、全国すべての基礎自治体を対象に、主として①地域活動のデジタル化 ②自治会等の活動の持続可能性 ③地域コミュニティの様々な主体間の連携、について調査するとともに、具体的な事例について複数の自治体に事例報告をしていただくなど、現場に則した検討を行いました。約1年間の検討の結果を、2022年4月に280頁の充実した報告書としてまとめることができました。

この日、私は「地域コミュニティに関する研究会」の検討が大変に充実していただけでなく、令和4(2022)年度において、市町村課の課長はじめ職員の皆様が、この報告書を踏まえた自治体との「地域コミュニティに関する意見交換会」を実施して、その浸透と具体化を図られたことに感謝を申しました。吉川局長は、「総務省、そして自治行政局は、まさに、自治体の自治活動を通して国民・市民のくらしを支えるのが使命であり、特に、コロナ禍にあって困難に直面する地域コミュニティに寄与することは不可欠で、当然の取組みをしただけです。」と謙虚です。吉川局長は、自治省に採用されてすぐに静岡県でおつとめの後、石川県、佐賀県等で県の職員として働いたご経験や最近では群馬県副知事もされたご経験から、自治体現場に役立つ施策こそ総務省や自治行政局の役割であると痛感されています。三鷹市長経験者として共感しながら対話の時を過ごしました。

こうして、この日、山下事務次官、吉川自治行政局長が充実した対話のひと時を割いていただいたことに感謝して、総務省を後にしました。

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