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【5月のばらの花と絵本の読み聞かせ】

【5月のばらの花と絵本の読み聞かせ】

♪バラが咲いた バラが咲いた 
 まっかなバラが
 淋しかった僕の庭に バラが咲いた
 たったひとつ咲いたバラ 小さなバラで
 淋しかった僕の庭が 明るくなった♪

私が本当に幼い頃の1960年代に、浜口庫之助さんが作詞・作曲して、シンガーソングライターのマイク真木さんが歌った【ばらが咲いた】の歌は、たしかNHKの『みんなのうた』でも流れて、心に刻まれている1曲です。
この歌が似合う、あちらこちらにバラの花が咲く5月を迎えています。
私の家の小さな花壇のバラの花も、ささやかな花を咲かせています。
歌詞の通りの赤ではないくピンク色のバラの花が、確かに、この歌のように「淋しかった私の花壇を明るく」しています。

この歌で歌われているバラの花のように、その存在が、人の心を明るくする人がいます。
その人が、たたずんでいるだけで、その人がほほ笑むそれだけで、明るい雰囲気が醸し出される人がいます。
そして、多くのこどもたちは、そこにいるだけで、ただ、気の向くことをしているだけで、それを見ている人々を明るい気持ちにしてくれます。

先日私が行った、鷹南学園三鷹市立東台小学校での今年度初めての【絵本の読み聞かせ】ボランティアの対象は1年生でした。
1年生のこどもたちの中には、連休明けの学校に通学するだけで精いっぱいなのか、教室に着くなり、床に転がるこどもが2,3人います。
ランドセルの中身を出して、後ろのロッカーに入れたり、宿題を提出箱に入れるときも、不安げな表情が浮かんでいます。
しかも、この日は担任の先生が体調不良でこられなくなりました。
その上に、始業前に、入学して初めての【絵本の読み聞かせ】があるということですから、こどもたちにはどうしてよいのかという迷いが表情にあふれています。
本来は机を後ろに動かして、椅子だけ残して座って聴いてもらうことが一般的ですが、私は、今日は初めてなので、机は動かさずに、いつもの通りの席で聴いてもらうことにしました。
さらに、私は「トイレに行きたい人はいってらっしゃい」と声をかけてみました。
すると、約半数のこどもたちが、「行ってきます」と教室を出ていきました。
そして、全員が席に戻ってから絵本を読み始めました。すると、なんという集中力!でしょう。
そうなんです。
こどもたちは5月の連休明けに、突然現れた絵本の読み聞かせのボランティアの私に多少なりとも不安があったでしょうが、【絵本】という媒体が、こどもたちと私の間にしっかりと【信頼】を与えてくれたのです。
一人ひとりのこどもたちは、それぞれの家庭で、大切な一輪のバラであるとともに、教室に絵本の読み聞かせのボランティアに訪れた私にとっても、1人ひとりが、たしかに素敵な存在そのものなのです。

【バラが咲いた】の歌詞の最後は次のように歌われています。
♪バラよバラよ 心のバラ
いつまでも ここで咲いてておくれ
バラが咲いた バラが咲いた 僕の心に
いつまでも散らない まっかなバラが♪
この歌のように、この日、1年生のこどもたちと出会った私には、たしかに【心のバラ】が咲いたのだと思います。

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