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【三鷹市ゆかりの作曲家中田喜直:水芭蕉コンサート】を鑑賞しました。

【三鷹市ゆかりの作曲家中田喜直:水芭蕉コンサート】を鑑賞しました。

実行委員会が毎年5月の時期に開催されている三鷹市ゆかりの作曲家中田喜直氏の【水芭蕉コンサート】は、例年は千代田区の紀尾井町ホールで開催されてきましたが、今年は「横浜みなとみらいホール小ホール」で開催されました。
会場に着くとすぐに、中田事務所の中田基彦さんが歓迎してくださいました。

また、ロビーでは、文部科学大臣・内閣官房長官ご在任中にご縁をいただいた河村建夫・元衆議院議員とお目にかかりました。
童謡をずっと応援されてきて、今年はお孫さんと来場されたそうです。、

今回のコンサートの副題は【子どもたちと 子どもだった人たちへ】です。
司会の眞理ヨシコさんは、「今年は中田氏の原点ともいうべき童謡をテーマにしました」と紹介されました。
最初のパートは、中田喜直氏の童謡曲集『かわいいかくれんぼ』から、「もりのよあけ」「ひらひらちょうちょう」など11曲が、眞理ヨシコさん、たいらいさおさん、稲村なおこさん、西山琴恵さん、坂下忠弘さん、ほどがや少年少女合唱団によって歌われました。

2番目のパートでは、小学校6年生のピアニストの坂口菜々美さんが、中田氏作曲の「春のおはなし」「エチュード・アレグロ」を演奏し、小学校3年生のバイオリニスト菊地結大さんが「小さなヴアイオリニスト」を演奏しました。
お2人ともに、かながわ音楽コンクール第1位をはじめ多くの受賞経験があるという実力が、会場にたしかに伝わる演奏であり、こどもたちのための曲の魅力が【こどもだった私】にしっかりと届きました。

休憩の後で、「日本童謡協会から生まれたうた」という3番目のパートは、中田幸子さんと眞理ヨシコさんの対話から始まりました。
日本童謡協会は初代会長がサトウハチローさんで、中田氏が2代目の会長だったそうです。
幸子さんは、「童謡は作られたことに意味があるのではなく、普及して多くの人に歌われてこそ、その使命が果たせるので、私はその普及に力をいれ続けたいのです。今日のコンサートのように。」と語りました。
その後、まどみちお作詞・大中恩作曲「ドロップスのうた」から、近年作曲された「山がすき 海がすき」「そらでえんそくしてみたい」など8曲が歌われました。

4番目のパートでは「サトウハチローと中田喜直のうた」ということで、性格は極めて対照的だったと言われる2人のコンビによる「おんぶとだっこ」をはじめとする6曲が歌われました。
その最後の歌は「ちいさい秋みつけた」で、幸子さんの指揮で、歌手全員が歌われました。
私は、この歌声を涙が出る気持ちで聴きました。
というのは、2013(平成25)年11月に、中田氏の生誕90年を記念して、ぜひ歌碑を建立したいと考えた私は、おかげさまで、ご遺族の中田幸子さんのご理解をいただき、中田氏がこどもたちにも弾きやすいピアノとして普及を図ったアップライトピアノに、『小さい秋みつけた』の中田氏自筆の楽譜が刻まれたデザインの歌碑を建立することができたからです。
私は、幸子さんのご希望を受けて、中田氏が愛した都立井の頭恩賜公園内に建立したいと、都立公園を管理する東京都建設局西部公園事務所の所長に依頼に伺い、幸い、ご理解を得て連携することができました。
ただ、場所については、ぎりぎりまで適地が見つからなかったのですが、都の皆様の絶大なるご協力で、井の頭池のほとりの多くの来園者に見ていただける適地を確保できました。
この歌碑建立については、市民の皆様や市内の団体の皆様の委員会での検討を経て、市の資金には市民や団体の皆様からのご寄付を含めることができました。
まさに、この歌碑の建立は【市民参加と協働のまち・三鷹】らしい取組みとなりましたので、このコンサートで歌手全員の皆様による「ちいさい秋みつけた」の歌声は、格別に心に届いたのです。

フィナーレもまた、サトウハチロー作詞の「別れの歌」でした。
その後、続いて、「会場の皆様とご一緒に」ということで、江間章子作詞「夏の思い出」を、幸子さんの指揮で全員合唱しました。
「夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 野の小道 
霧の中にうかびくる
やさしい影 野の小径
水芭蕉の花が 咲いている 
夢見て咲いている 水のほとり・・・・」

すがすがしい気持ちで会場を出ると、眞理ヨシコさんが見送ってくださっていたので、「司会の際におっしゃった【童謡は懐かしく、そして、いつでも新しい】というメッセージが確かに届きました」とお伝えしました。
【三鷹市親子音楽会】では、【タイラー博士】として、音楽をこどもたちにわかりやすく、楽しく伝えてくださっている、第3代うたのおにいさんのたいらいさおさんとは、再会を祝福し合いました。

昨年、三鷹市主催の「中田喜直生誕100年記念コンサート」にも出演してくださった稲村なおこさんは、学び直しの大学院を修了されて、益々歌に専念されるとのことです。
この日は中田喜直氏の【こどもまんなか】の童謡と出会いなおして、【こどもだった自分】を取り戻すことができたように思います。

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