【公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)】内幸町オフィスを訪問し、理事長の藤江陽子さんと対話
藤江さんは、今春に【公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)】理事長に就任されたのですが、私は3年前の夏から親しくさせていただいています。
というのは、私は、中央教育審議会委員として、【生涯学習分科会】の分科会長を務めているところ、藤江理事長は2022年夏に、この分科会を所管する文部科学省総合教育政策局長に就任されたからです。
藤江さんは、当時、分科会の開催時は、ほとんど会議に出席し、委員の審議を見守ってくださいました。
そこで、藤江さんが局長でいらしたときには、生涯学習分科会には特段の諮問がありませんでしたので、分科会としての主体的な審議の在り方について、折々に局長や生涯学習推進課長はじめ同課の皆様と正副分科会長とは協議をしました。
総合政策局長は【コミュニティ・スクール】についてもご担当であることから、2023年7月15日に開催された【地域とともにある学校づくり推進フォーラム2023茨城】が茨城県庁講堂で開催された際、私はパネリストとして参加しましたが、藤江さんも参加され、講堂でお目にかかり、激励していただきました。
そして、2023年8月に、藤江さんは【文部科学審議官】に就任されました。
【文部科学審議官】とは、文部科学省において文部科学事務次官に次ぐ官僚ナンバー2のポストであり、次官級審議官職の1つとして文部科学省設置法に定められている「特別な職」です。
現在の定数は2人で、文教担当と科学技術担当がありますが、藤江さんは文教担当です。
この職に女性が就任したのは、2001年に創設以来初めてのことです。
藤江さんは、女性として初めてと言っても決して気負うことなくこの職を務められたのちに、2024年7月に退任されました。
私は、感謝を込めて、退任される日に、文部科学省の【文部科学審議官】室を、当時の生涯学習推進課長(現在の高等教育局大学振興課長)の石橋晶さんと訪問したところ、幸いにもお目にかかることができました。
そして、約8ヶ月後の今年の3月に、藤江さんから【公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)】の理事長に就任されたとのご連絡をいただきました。
この法人は、昭和32(1957)年に民間企業6社からの寄付により設立された公益法人です。
文部科学省からの国庫補助金を受けて留学生に対する福祉・援助事業等の中枢的な実施機関として幅広い活動を行ってきました。
そして、平成16(2004)年4月1日より、特殊法人日本育英会・財団法人内外学生センター・財団法人国際学友会・財団法人関西国際学友会とその業務を統合して、財団法人日本国際教育支援協会として、独立行政法人日本学生支援機構と共に新たなスタートを切っています。
さらに、平成24(2012)年1月に公益財団法人に移行したとのことです。
藤江さんは、理事長として、この財団は国内外の学生を支援している団体で、具体的には、【留学生・日本人学生への奨学金の支給】、【日本語能力試験・日本語教育能力検定試験の実施】、【(独)日本学生支援機構の貸与する奨学金の機関保証制度の運用】等を行っていることを、パンフレットに基づいて説明してくださいました。
概要は以下の通りです。
1.給付型奨学金・国際教育支援プログラム ⇒奨学金給付人数:888人(2023年度)
2.学生教育研究災害傷害保険【学研災】 ⇒加入者数283万人(2024年3月末現在)
3.外国人留学生の民間宿舎入居のための思念事業「留学生住宅総合補償」⇒加入者数9千人(2024年3月末現在)
●日本語能力試験 ⇒応募者数(国内)47万人(2023年度:47都道府県)、148万人(92か国・地域:2023年度は独立g統制法人国際交流協会実施)
●日本語教育能力検定試験 ⇒応募者数1万人(2023年度)
藤江さんは、お若いころ、在中華人民共和国日本国大使館一等書記官を務められたご経験があります。
また、2017年スポーツ庁審議官とともに、内閣官房副長官補付・内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局審議官を務められました。
さらに、2020年にはスポーツ庁次長として、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局特命担当統括官をされていました。
オリンピック・パラリンピックというスポーツを通した国際交流の取組みを経験されたことは、今のお仕事をされるうえでも、きっと有意義なご経験であったのではないかと拝察します。
また、生涯学習分科会は、法律の改正を踏まえて、前期から日本語教育機関の認定や日本語教員資格に関する分野も扱うこととなりました。
そこで、この日の訪問と藤江理事長との和やかな対話を通して、私自身が大きな学びを得ることができました。

