【民設民営のデジタル公民館】を推進する【霞が関ナレッジスクエア(KK2)】代表の久保田了司さんとの対話
- 2025/06/08
- 日記・コラム, 訪問記録
- 一般財団法人AVCC, 霞が関コモンゲート, 霞が関ナレッジスクエア, デジタル公民館, 仕事力, レジリエンス
私が参与を務めている【こども家庭庁】は、東京メトロ銀座線の虎ノ門駅から至近の【霞が関ビルディング】にあります。
【霞が関ビルディング】は地上36階、地上の高さは147メートルで、1968年に竣工した当時は日本で初めて建設された超高層ビルとして知られています。
その後、1970年に世界貿易センタービルが地上40階、162.59メートルで竣工するまで、最も高いビルでした。
その敷地は【東京倶楽部】と【霞会館】が所有しており、共同で建設が行われたとのことです。
その霞が関ビルと並んでいるのが【霞が関コモンゲート】ビルです。
【霞が関コモンゲート】は、旧文部科学省、会計検査院庁舎跡地の再開発事業の地区に建てられています。
そこには、2棟の高層ビルである東館と西館とがあります。
その西館のショップ&レストランの3階にあるのが、【霞が関ナレッジスクエア】です。
この場所を初めて知ったのは、コロナ禍にあって、文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会のハイブリッド会議の場所として使用した時です。
そのスタジオ機能のある貸会議室は、セミナー配信・収録のみならず、同時通訳イベントができる技術支援が可能です。
【霞が関ナレッジスクエア】の事業は、【一般財団法人AVCC(Advanced Valuable Communication)】が運営しています。
私は、【一般財団法人AVCC】の久保田了司理事長とゼネラルマネジャーの山田瑞恵さんを訪問してお話を聞きました。
【AVCC】とは「高度で価値あるコミュニケーション(Advanced Valuable Communication)」の社会実装を目指して活動しているとのことです。
その公益目的事業として推進しているのが、【霞が関ナレッジスクエア(KK2)】の活動です。
その活動を【デジタル公民館®】と位置づけ、デジタル技術の普及と国民一人ひとりのリテラシー向上を通じて、誰もがデジタル空間に参加できる社会環境を整備しようと取り組んでいるとのことです。
【霞が関ナレッジスクエア】は、【共に考え、共に学び、共に担い合う社会へ】をキャッチフレーズに、【何時でもどこでも誰でも学べるデジタル公民館KK2】として、多くの学習コンテンツの配信を行っています。
たとえば、ホームページから「AI社会を生きる力を考える」「個人のレジリエンスを学ぶ」「組織・地域を担うしごと力を学ぶ」「文化に親しみ交流する」というテーマに分類されるコンテンツを利用できます。
山田ゼネラルマネージャーからは、高齢者がスマホ活用に一歩を踏み出せるよう応援するため、ビデオ『スマホでひらく“新たな人生の扉”」』の制作を紹介していただきました。
また、現在、岩手県大船渡市末崎町「デジタル公民館まっさき」や鹿児島県鹿屋市柳谷「デジタル公民館やねだん」の取組みも行っているとのことです。
私は、デジタル時代にあって【デジタルディバイド(情報格差)】を、年齢・障がいや地域で発生しないような取組みに特徴があると受け止めました。
また、6月には【霞が関座禅会】などが予定されていたり、オンライン・対面を選べる【キャリア相談】も実施しています。
この日、久保田さんは、霞が関ビルの下の【アネックス】にも私を案内してくださいました。
ここは、まさに、道路に面した飛び地にあり、地上2階、約900平方メートルの施設です。
広場南側に面した低層の施設。飲食店および歯科医院のほか、会員企業、団体の出資による【民設民営の公民館スペース】を標榜する【霞が関ナレッジスクエア】が入居して、定期的にイベントが催されています。
この日は、ランチタイムを過ぎた時間帯でしたが、ランチタイムの予約が可能です。
電源とフリーWi-Fiを整備しています。
また、ランチ・カフェ以外の時間帯や土日は店舗スペースを貸し切りできて、学習会やイベントに活用できるとのことです。
久保田さんは、「霞が関地域には住んでいる人(住民登録をしている人)は10人もいないところ、働いている人は約6万5千人ということです。その皆さんが、仕事力(社会で活躍するために必要な力)、レジリエンス(変化にしなやかに対応する力)を学ぶことができるような【民設民営のデジタル公民館】をめざしているのです。このアネックスも益々活用してほしいです」と語ります。
私は、電子政府を支援する一般社団法人情報システム研究所の理事をつとめていますが、久保田さんはその監事を務められているというご縁があります。
そこで、今回は、その現場を訪問し、学ばせていただきました。
また、私は文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会の分科会長・委員を務めていますので、久保田さんが推進している【デジタル公民館】の実践に注目ていきたいと思います。


