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【離島を含む地域の格差のない政策に努めている島根県と長崎県の取組み】

【離島を含む地域の格差のない政策に努めている島根県と長崎県の取組み】

5月末に、島根県の丸山達也・知事と中島謙二・島根県議会議長が内閣府の辻清人副大臣(こども政策担当)を訪問されました。
私はこども家庭庁参与としてお迎えしました。
歓迎のご挨拶をすると、丸山知事は、「清原さんには、私が総務省から市町村アカデミーに出向していた際に、講師として来ていただきました。お久しぶりです」と声をかけてくださいました。
その格別の記憶力に感謝し、和やかに会話させていただきました。

そして、お2人は、辻副大臣に【少子化対策・子育て支援の充実】についての提案・要望書を手交され、意見交換をされました。
こども医療費、伴走型相談支援、男性の育児休業の充実等の仕事と子育て等との両立支援などに関する提案とともに、こども子育て政策については地域格差のない取組みへの国の支援を求められました。
その中で、特に印象に残ったご提案は、【中山間地域・離島においては、保育所の利用児童数の減少が進む中。保育所等は地域に欠くことのできない機能であることから、国は安定的な施設運営を継続できるような財政支援を行うこと】を強調されたことです。
島根県には隠岐諸島を含む600の島があり、その中には国際関係の中で国境としての緊張がある【竹島】もあります。
そのうちで6つの有人島があるとのことです。
こうして国際的に緊張感のある離島の状況を踏まえつつも、有人島を含む県内の地域格差なきこども子育て支援の浸透を願う強い意志を感じました。

私は、文部科学省中央教育審議会で、島根県を拠点として高校魅力化プロジェクトなどを実践されている【一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム】代表理事の岩本悠さんと委員をご一緒しています。
岩本さんとは、現行の【第4期教育振興計画】の案を審議する特別部会の委員もご一緒しました。
さらに、中央教育審議会【生涯学習分科会】及びその中に設置されている【社会教育の在り方に関する特別部会】では、野津建二・島根県教育委員会教育長と委員をご一緒しています。
お2人との交流によって、私は島根県が少子化に対する課題解決の1つの方向として知事部局と教育委員会が連携して、特に【高校魅力化プロジェクト】など、若者の活動の活性化と地域定着を進めている先駆的実践を学んでいます。

さて、6月初旬には、友納理緒・内閣府大臣政務官(こども政策担当)を、長崎県の大石賢吾・知事と徳永達也・長崎県議会議長が訪問されました。
私はこども家庭庁参与としてお迎えしました。
私は三鷹市長在任中に、長崎の【平和祈念式典】を数度訪問した経験や、長崎県【松浦市】は以前は【鷹島町】であったことから【鷹】の字の付く自治体として三鷹市とともに【フォークスサミット】を構成していた交流について紹介しました。

大石知事は「今年は【被爆80年】であるとともに、松浦市は昨年【元寇750年】を迎えたんですよ」と話してくださいました。
お2人は、友納大臣政務官に【こども」子育て家庭に対するユニバーサルサービスの創設】及び【こどもの育ちの支援の充実】を提案されました。
長崎県では市町と連携して高校生世代までこども医療費助成の補助を実施しているとのことです。そのうえで、全国の自治体間で競争するのではなく、国は医療費・給食費・保育料などについて、当事者・自治体の負担軽減策をはかるようにとの提案です。
徳永議長のご発言で印象に残ったのは、
「長崎は離島など言わば【地方の地方】を抱えていることから、国境を維持しているとも言えます。国には、長崎県が多くの離島のこども子育て支援を継続できる取組みをお願いしたい」と発言されたことです。
たとえば、「保育所等において基準以上に職員を配置せざるを得ない実態があり、特に、離島などの少子化・人口減少が著しい地域の実情を踏まえて、職員配置基準・処遇改善を含む公定価格等の見直し」を求められました。
そこで、私は長崎県ホームページで島について確認しますと、長崎県の島は対馬、壱岐をはじめ1479と非常に多く、その数は全国第1位です。
有人島は72あり、法指定有人島は51島、法定外有人島は21島とのことです。
島の人口は減少傾向で、令和2年現在では11万3,056人となっています。
こうして、丸山島根県知事、中島議長、大石長崎県知事、徳永議長は、それぞれに離島を含む、県の地理的実情を踏まえて、地域の多様性を踏まえつつ、地域格差・自治体間格差のないこども子育て支援政策の実践を求めて、熱心に意見交換をされました。
辻副大臣も、友納大臣政務官も、それぞれの県の実情を話される知事や県議会議長のお話を傾聴され、丁寧に対応されました。
特に、友納大臣政務官は看護師・弁護士であり、大石知事は医師・医学者であることから、相互に、こどもたちの健康についても課題認識を共有されたように受け止めました。
私は、島根県・長崎県の知事・県議会議長との辻副大臣、友納大臣政務官との対話に同席させていただき、日本は狭いようで、実はきわめて多様な地域特性を持っていること、地域格差のない【こどもまんなかの政策】の在り方という課題の存在を再確認しました。

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