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【生成AI】等の国際連携担当の今川拓郎・総務省総務審議官との対話

【生成AI】等の国際連携担当の今川拓郎・総務省総務審議官との対話

7月に国の各省庁では人事異動がありましたが、総務省の国際担当の総務審議官である今川拓郎さんには異動はありませんでした。
私は、大学教員として、郵政省の放送政策課や通信政策課に勤務されていた今川さんと出会いました。
そして、三鷹市長在任中には、情報通信審議会の委員を務めていたことから、今川さんは審議事項に関連したご担当として出会ったばかりでなく、地域通信振興課長や情報通信政策課長をされていたことから、三鷹市の地域情報化施策や自治体業務の情報化を推進するうえで助言をいただいた総務省の職員のお1人です。、
また、ある年度の全国市長会関東支部総会で、行政報告のテーマに【地域情報化】や【自治体業務の情報化】について講演テーマが選択された際に、事務局に講師の紹介を依頼されて、今川さんにお願いをして講師を務めていただいたことがあります。

今年6月に開催された【電波の日・情報通信月間記念式典】でお久しぶりに再会したこともあり、この度、総務審議官室を訪問して対話しました。
今川さんは、現在、デジタル分野のテーマで海外と連携や交渉を行う際の責任者の役割を果たしています。
担当しているデジタル分野での優先課題は、【AI】、【デジタルインフラ】、【サイバーセキュリティ】、【インフォメーション・インテグリティ】の4つであるそうです。
この中でも、生成AIに対する関心が世界的に高まっており、AIが現在の最優先テーマとなっているとのことです。
同時に、【インフォメーション・インテグリティ】は、偽・誤情報やフェイクニュースなどにどのように対処するかというものであり、私はその重要性が増していると思い、注目しています。

総務省は2016年にAIを議論する会議を立ち上げて、社会的・経済的・倫理的なメリットやリスク、法的課題などを議論しています。
その2016年に日本で開かれた【G7香川・高松情報通信大臣会合】を契機に、日本からAIが社会経済に与える影響を国際連携により分析し、AIの開発原則ルールの議論につなげていくべきとの提案がなされました。
その後、OECD(経済協力開発機構)の中に専門家グループによる生成Iに関する議論が進み、多くの日本のメンバーが参加しているそうです。
2019年には世界で初めて、AIに関する多国間の政府合【OECDのAI原則】が策定されました。
2023年のG7広島会議では、議長国・日本の提案で、安心安全で信頼できるAIを目指すルールづくりとして、【国際行動指針:と【国際行動規範】を含む【広島AIプロセス】が提起されました。
【広島AIプロセス】は現時点まで、法律による規制ではなく、AIの開発に取り組む関係者が、主体的に利用者志向の説明責任を高める方向を探るという自主的な取組を促す方向で進められているそうです。
2024年のイタリアG7を経て、【広島AIプロセス】の早期実践の枠組についての合意がなされ、この関係の会議が今年2月にパリのOECDで開かれ、今川さんも参加されたとのことです。
その時点で産業界からGoogle。Amazon、Microsoft、OpenAI、NTT、ソフトバンク、KDDI、楽天、NEC、富士通など13社が参加し、次第に増加しているそうです。

このように、今川さんは海外出張が大変に多いお仕事ですので、この日、総務省でお目にかかれたのは本当にラッキーでした。
とはいえ、日本にいらしたこの日も、直前は、大阪・関西万博に来られていたある国の幹部が今川さんを訪問されたそうです。
こうして、【国際担当】のお仕事は、国内にいらしても、文字通り【国際的】です。
そこで、今川さんは、日常的に英語を駆使されています。
実は、今川さんは、東京大学大学院総合文化研究科の修士課程を修了直後に郵政省に入省されましたが、その3年後にハーバード大学大学院に留学されました。その機会を生かして、ハーバード大学で短期間に経済学博士を取得されました。
その学びの機会は、その後の総務省でのお仕事に多元的に役立っているそうです。
そこで、今年、トランプ大統領がハーバード大学への留学生について削減の方針を示されたことには、後輩の学びの機会が制約されることになると心配されていました。

英語が堪能な今川さんですが、スピーチ原稿作成や翻訳等に、積極的にAIを活用されているそうです。
私も、まずは、自分で使用して、使い勝手、利用可能性やリスクを実感することによって、対応策や政策についてもきっと充実することと思います。
今川さんは、これまでのお仕事でも、そして、国際担当をされている現在も、異なる分野の【連携】と【協働】を推進されているのだと強く感じました。
私は大学の助教授の時代に、1989年から90年にかけて、郵政省通信政策懇談会に初めて設置された【国民生活部会】の委員を務めました。
この部会での検討を通して、私は、放送や通信の急速な技術革新と変化や普及を踏まえて【生活】に注目する政策への転換期を経験しましたが、まさに1990年に今川さんは郵政省に入省されています。生活者視点が、総務省に引き継がれています。
そのことにも表れているように、情報通信のテクノロジーは経済分野をはじめ、私たちの広範な日常生活の分野、たとえば、教育・医療・観光・産業・娯楽等に関係する基盤と言えます。
それを国内の視点のみならず、国際的な視点で俯瞰し、国際的な協調と連携、協働を進めている今川さんをはじめとする総務省の取組みに、引き続き注目していきたいと思います。

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