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【井の頭平和祈念会】に参加して

【井の頭平和祈念会】に参加して

1945年、8月6日の広島に続いて、長崎に原子爆弾が投下され、7万人余りの犠牲者が尊い命を失い、多くの人々が後遺症に悩まされています。
謹んで原爆で亡くなられた皆様に哀悼の意を表し、被害者の皆様、ご遺族様をお見舞い申し上げます。

そして、この日、長崎市では【長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典】が営まれ、被爆者や遺族らが、招待状が送られた日本に大使館などを置く157の国・地域すべての中からロシアやイスラエルの大使を含む多くの外国からの参加者が、犠牲者を追悼し、平和を祈念したとのことです。

その式典会場である長崎市松山町の平和公園には、北村西望作の【平和祈念像】が1955年から設置されています。
その祈念像が創作されたのは武蔵野市御殿山にある都立井の頭自然文化園内のアトリエです。
そして、その原型が展示されている彫刻館では、同じ8月9日に【井の頭平和祈念会】が開催され、私は、昨年に引き続き参加しました。

この会は、1987年に逝去されるまで、北村西望さんご自身が、友人、弟子や親族とともに8月9日に実施していた会です。
逝去されてからは、友人や弟子の皆さんが引き継いで、現在は晩年西望さんと出会っている広島出身の写真家の藤田公一さんはじめ、有志が主催されています。
私は、この会について、ボランティアで事務局を引き受けられている、武蔵野市の元市長の邑上守正さんからご案内をいただいて、昨年、初めて参加しました。

会場に着くと、地元の前市長として私がお迎えすべきところ、後援の広島市長代理として出席の広島市東京事務所の山本雅英所長と、長崎市長代理として出席の長崎市東京事務所の渡辺清英所長が笑顔で迎えてくださいました。
お2人とは、昨年この会で出会って以来、何度か、私が両市の東京事務所を訪問して対話してきました。
その際には、僭越ですが、私からも【井の頭平和祈念会】の後援の継続をお願いしました。
もちろん、私などがお願いする必要はなく、お2人は平和事業へのご理解が厚く、「清原さん、8月9日には井の頭自然文化園で会いましょう」と声をかけてくださっていました。
私は、渡辺所長の席のお隣に案内されましたので、すぐに3ショットの自撮り写真を撮ってしまいました。

渡辺所長は、この会について長崎市のゆかりの方にお知らせしたところ、ご存知でない方が多く、その方々がこの日は初めて参加してくださったそうです。
関係者への周知のお心遣いは、本当にありがたい限りです。

また、東京都原爆被害者の会【東友会】の常任理事である木岡紀久代さんが「三鷹市長時代はたびたび会えたのに、この頃は会えなくなって寂しいわ」と優しくお声をかけてくださいました。光栄です。
祈念会の司会は、被爆者二世の武蔵野市被爆者の会に所属している天野妙さんです。
会は天野さんの温かい声で進行され、まず、主催者を代表して藤田公一さんが会の趣旨と経過の説明をされました。
続いて、来賓挨拶として、まず昨年は企画部長の代理出席であった三鷹市から河村市長が挨拶しました。
次に、広島市長代理として山本東京事務所長が松井一實市長のメッセージを代読し、長崎市長代理として渡辺東京事務所長が鈴木史郎市長のメッセージを代読しました。

11時2分に、長崎市の式典と想いを一つに全員で【黙とう】を捧げました。
その後、この日は長崎市に出張し、世界平和首長会議に出席されている小美濃武蔵野市長の代理として、荻野副市長がメッセージを代読しました。
東友会の木岡さんも原爆被害者の会を代表してあいさつされました。
続いて【ひろしま平和の歌】【千羽鶴】を参加者で合唱しました。

そして、藤田公一さんが、【平和祈念像】の後ろ側に刻まれている【平和祈念像作者の言葉】を朗読されました。
それは、以下の文章です。

あの悪夢のような戦争 
身の毛のよだつ凄絶悲惨 
肉親を人の子を かえり見るさえ堪えがたい眞情 
誰か平和を祈らずにいられよう 
茲に全世界平和運動の先駆として
此平和祈念像が誕生した
山の如き聖哲それは逞しい男性の健康美
全長三十二尺余 
右手は原爆を示し左手は平和を
顔は戦争犠牲者の冥福を祈る 
是人種を超越した人間
時に佛 時に神 
長崎始まって最大の英断と情熱 
今や人類最高の希望の象徴
昭和30年 春日  北村西望

その後、彫刻館の学芸員の雨宮さんが、彫刻の観点から平和祈念像にまつわる説明をしてくださいました。
そして、事務局の邑上さんが、最近寄贈されたという北村西望さんが100歳の時の書【大慈 無 邊】を紹介してくれました。

最後に、恒例となっている【長崎の鐘】を参加者全員で合唱しました。
閉会後、平和祈念像の原型(原寸大)の後ろに書かれている【平和祈念像作者の言葉】を、山本所長、渡辺所長、邑上元市長と確認しました。

一部には【今は戦前なのではないか】と平和が脅かされる危機を感じているとの声があります。
私たち人類は、2度と【ヒロシマ・ナガサキ】の惨禍を再発されてはいけません。
今を生きる1人として、固く誓います。
そして、無力な私は真剣に祈ります。

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