【全国町村会の新会長に就任した棚野孝夫・北海道白糠町(しらぬかちょう)長・北海道町村会長】との対話
8月18日、【全国町村会】の棚野孝夫会長が【こども家庭庁】を訪問され、藤原朋子、長官官房長に就任の挨拶をされる席に、私は参与として、長官官房地方連携推進室の江口友之室長と同席しました。
【全国町村会】のホームページによれば、2025年7月1日、全国町村会館で開催した理事会において、任期満了に伴う会長の選挙を行い、棚野孝夫氏(北海道町村会長・白糠町長)を新たに選任しました。
棚野会長は、前期の2年間は、前会長の吉田隆行・広島県坂町長・広島県町村会長を支える副会長(会長代行)をつとめていらっしゃいました。
会長選挙については、「全国町村会の会長、副会長及び監事の選任に関する規程」等に基づき、6月23日までに届出のあった候補者の中から、棚野北海道町村会長が当選者として決定されたもので、任期は2025年7月31日から2年間です。
当選にあたり、棚野会長は「47都道府県町村会長が一丸となり力を合わせて頑張ってまいりたい。926町村は大変な時期であり、皆さまと協力しながら全身全霊で努力していく」と決意を表明されたとのことです。
【全国町村会】は、大正10年(1921年)2月12日、東京において全国町村長代表600余名が参集して創立総会を開催して発足しています。
したがって、すでに100年以上の歴史があります。
初代会長は東京府品川町長の漆昌巖氏で、棚野町長は第23代会長となります。
藤原官房長は、「あいにく今日は渡辺由美子長官が不在で、私がこども家庭庁を代表してご就任を祝福し、ご来訪を歓迎します」とおっしゃると、棚野会長は笑顔で挨拶されました。
私は、「北海道の町長さんが全国町村会の会長に就任されるのは、第6代(昭和19年8月~昭和20年11月)の北海道静内町の吉田貫一町長以来、80年目ということで、まことにおめでとうございます」と申しますと、「そうなんですよ」とにこやかに応えてくださいました。
そして、藤原官房長は、棚野会長のご地元の白糠町の取組みについて、お尋ねになりました。
棚野課長は、白糠町はじめ北海道は明治以降、全国各地から人々が本格的に移住して、開拓が行われて歴史が刻まれてきたことを紹介されました。
ご自身は明治10年に曽祖父が徳島県から北海道に移住して、開拓の苦労を重ねて、今に至るとのことです。
白糠町には富山県からの移住の方が多いそうです。
10年ほど前に、同時期に日本から移住した人が多いブラジルやパラグアイを訪問して、視察したそうです。
そして、理解したのは、同じ移住でもその移住先の開拓の地理的規模は大きく異なると実感されたそうです。
また、北海道には冬があることから、ブラジルとは気象条件が異なり、まさに「凍れる(しばれる)」ことから、定着が決して容易ではなく、定住できずに地元に戻る人々も少なくなかったと話されました。
そして、まずは、東京等首都圏に酪農を含む農産物を供給するために、海側への公共交通を整備してきたそうです。
たしかに、私は北海道のじゃがいも 、玉ねぎ 、牛乳 、バター やチープ などのおかげさまで成長し、食生活を支えていただいてきました。
棚野会長は、現在は、北海道内の流通も確保するために、高速道路等の道路整備が進んでいることは、北海道の持続可能性のためには重要な条件整備であると語ります。
そして、最近では若者の定住を促し、少子化に歯止めをかけるためにも【家族の潤い】が大切であり、そのための町民の所得保証が重要であることから、白糠町では共働き・共育てを支援するために、【0歳から5歳までこどもたちを安全に安心して町で預かる幼保一体化】を推進しているそうです。
棚野会長は、何より【こどもまんなか】の政策を中核に推進することが、大人も幸せになることであると明言されましたので、【こども家庭庁】はまさに、【こどもまんなか】の理念で政策を自治体の皆さん、民間団体と連携して推進していると、想いを共有しました。
棚野会長は鈴木雅博副会長・会長代行(愛知県大口町長)とご一緒に、8月5日に、石破茂内閣総理大臣、村上誠一郎総務大臣、伊東良孝地方創生担当、新しい地方経済・生活環境創生担当大臣を訪問され、就任のご挨拶をされています。
全国町村会の会長は、全国知事会長・全国市長会長・全国都道府県議会議長会長・全国市議会議長会長・全国町村議会議長会長とともに、地方六団体の長として、法律に基づく【国と地方の協議の場】に参加することになっていることから、3人の大臣と全国町村会長との出会いは大変に有意義であると思います。
そこで、私は、「こども家庭庁でも、【こども政策に関する国と地方の協議の場】が設置されていて、こども政策担当大臣、副大臣、大臣政務官と地方三団体の会長及びこども政策担当首長が意見交換する機会があり、藤原官房長が司会をしますので、ぜひ、ご参加ください」と紹介しました。
棚野会長は「私は口下手だから」とおっしゃいましたが、とんでもありません。
棚野会長の具体的でしかも含蓄のあるお話は大いに弾んで、もっとお話を伺いたいところでしたが、次の省庁の訪問予定時間を迎えてしまいましたので、残念ながら、今回は余韻を残して次の機会を待つことになった程です。
この日、【全国町村会】の棚野会長と【こども家庭庁】の藤原官房長の対話の席に同席させていただき、私は大変に温かい気持ちになりました。
また、私は地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の代表者会議の委員を務めていて、町村会からは歴代会長が委員を務められていますので、その会議でもお目にかかる機会があると楽しみにしています。
