【Youthの対話カフェ〜ライフデザインを語ろう〜】が示す【若者のチカラ】
9月3日(水)こども家庭庁の【こどもまんなか広場】には、【ライフデザイン】をテーマに語り合うために22名の大学生と若い社会人が集合しました。
2024年度に、こども家庭庁には、内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、孤独・孤立対策)が主宰した【若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ】が設置されました。
このワーキンググループは、【結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであって、多様な価値観・考え方を尊重することを大前提としていますが、その上で、若い世代の意見に真摯に耳を傾け、その視点に立って、若い世代が、自らの主体的な選択により、結婚し、こどもを産み、育てたいと望んだ場合に、それぞれの希望に応じて社会全体で若い世代を支えていくことが少子化対策の基本である】として、【若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるに当たって、関係者からの意見を聴取し、各種の課題等について検討することを目的としていました。
そこで、ワーキンググループの構成員は大学生や大学院生を含む若者が7名、有識者が5名で、若者当事者の生の声を傾聴する運営でした。
そして、2025年5月に最終報告書が三原じゅん子大臣に手交されました。
その内容には、【ライフデザイン支援等の視点】及びそれに基づく【ライフデザイン支援、出会い支援等の取組の具体化に向けて】が提案されています。
具体的には、若い世代のライフデザインを応援しようという気運の醸成が必要であること、大学等への働きかけも重要であり授業の中に取り込む、就職支援の一環で行うなどが提案されました。
そして、自治体との連携を含め、先行事例のヨコ展開が提起されました。
さらに、ライフデザイン支援は息の長い取組が必要であり、若い世代の多様な意見も聴きつつ、審議会等の場で効果検証等も行いながら、取組の改善を継続していくことが重要とされています。
この日の【Youthの対話カフェ】は、ライフデザインについて、若者当事者に認知していただくとともに、実際に我がこととして受け止めていただき、意見交換していただく取組みとして企画されました。
総合司会は、このワーキンググループの有識者構成員であった電通若者研究部研究員の奈木れいさんがテンポよく進行されました。
この日は2部構成で、趣旨説明の後、第1部は【共愛学園前橋国際大学】の心理・人間文化コース長の奥田雄一郎教授のゼミ生が4名参加され、大学で実践された【高校生と大学生のコラボレーションによるライフデザイン講座】の実践記録を報告されました。
大学生が高校生と協働することにより、①発達段階の早い時期からライフデザインについて意識することで人生の選択肢を増やし若者たち自らの希望の実現に役立てること,②大学生という親でも教師でもない“ナナメの関係”の他者と関わることで,高校生たちにとって将来について共に考える機会を創出するとともに,大学生たちにとっても自らのライフデザインを再考する機会となるといった【高校生・大学生両者の“自らのライフデザイン”を形成する機会】が紹介されました。
具体的な実践内容としては,①ライフデザインセミナーとして、大学教員によるキャリアについてのレクチャーに加えて、大学生による紙芝居を用いた高校生たちに向けた対話型ワークショップが紹介されました。
実践の成果としては,事後アンケートで高校生・大学生から高い評価を得ることができたとのことです。
第2部は、奈木さんと同じく【若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ】の若者構成員であった村宮汐莉さんと南光開斗さんが、ワーキンググループでの審議の経験やその経験を通して自らの【ライフデザイン】についての考え方がどのように影響を受けたか、【ライフデザイン】をこども若者に知って考えてもらう必要性やその際の留意点などについて報告してくれました。
その後、休憩をはさんで、後半の1時間は、4つのグループに分かれて、村宮さんと南光さんのコーディネートで【ライフデザイン】に関するワークショップが行われました。
ワーキンググループの若者構成員が、自らが提案したことを、自らが実践している姿に心強さを感じました。
私は他の仕事があり、そのワークショップの途中で退席せざるを得ませんでしたが、ライフデザインは【仕事】【キャリア】【専門性】【資格】等ではない人生・生活の部分について、具体的には結婚、出産、子育て、親の介護、趣味、社会活動などの幅広い分野を含めるとの気づきがあったことが、参加者の【はっとした表情】に伺えました。
2023年4月1日に施行された【こども基本法】第3条に規定されている6項目の【基本理念】の3項目目には、【全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること】が規定されています。
こども・若者の【意見表明権】に注目が寄せられることが多いのですが、加えて重視したいのは【多様な社会的活動に参画する機会が確保されること】が規定されていることであると私は受け止めています。
この日、参加者としての大学生を多く輩出している【東京の大学が多いまち・八王子市】から、【子ども家庭部青少年若者課:はちビバ川口(子ども・若者育成支援センター)】センター館長の井垣利朗さんが視察に来られていました。
八王子市から派遣されてこども家庭庁少子化対策室で勤務している小野渉さんと再会して、一緒に参加した若者の元気な姿を見守っていました。
ゼミ生の明快な発表を応援していた奥田雄一郎教授も、笑顔です。
ライフデザインづくりの当事者である大学生と高校生のコラボレーションによる【共愛学園前橋国際大学のライフデザイン講座】の実践が、全国にヨコ展開されることを期待したいと思いました。



