エントリー

【介護分野の文書に係る負担軽減が進める国民起点の行政改革】

【介護分野の文書に係る負担軽減が進める国民起点の行政改革】

厚生労働省社会保障審議会介護保険部会に設置されている【介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会(第15回)】に委員として参加しました。
この専門委員会は、介護分野の文書に係る負担軽減の実現に向けて、国、指定権者・保険者(自治体)及び介護サービス事業者が協働して、必要な検討を行うことを目的として設置されたものです。

第1回の会議は2019年8月7日に開催され、2019年12月4日にそれまでの集中的な5回の会議を踏まえて【中間とりまとめ】が公表されました・
そして、私は2020年3月30日に開催の第6回会議において専門委員に就任し、【中間取りまとめを踏まえた取組の進捗及び今後の進め方について】の議論から参加しました。
そして、2022年10月27日の第13回の会議で【とりまとめ(案)】が審議され、11月7日に公表されました。

【介護分野の文書に係る負担軽減策の方向性】について、関係団体のヒアリング等を通して 下記の5点にまとました。
① 指定申請・報酬請求・実地指導関連文書の国が定める標準様式例について
② 簡素化や利便性向上に係る要望を提出できる専用の窓口について
③ 「電子申請・届出システム」について
④ 地域による独自ルールについて
⑤ その他の課題について
そのうえで、【今後の進め方】については、こうした取組が地方公共団体で適切に進めていくことが出来るよう、国はガイドラインの作成やシステム改修に係る支援、「電子申請・届出システム」の導入に係る伴走型の支援等を行うとともに、都道府県においては、管内市区町村の文書負担軽減に向けた取組の進捗状況の確認や小規模地方公共団体等への支援を行うことが重要であるとしています。

そして、厚生労働省の専用窓口に提出された要望についての報告や改善等に対する対応及び「電子申請・届出システム」の利用状況等については、今後も継続的なフォローアップや効果検証が必要であることから、モニタリングを行うため、協働で負担軽減について検討する場である本専門委員会を随時又は定期に開催することが有益であるとしています。
そこで、進捗状況についてのフォローアップの専門委員会が、2023年4月17日続いて、2025年9月11日に久しぶりに再開され、【介護分野の文書に係る負担軽減の取組の進捗等について】報告を受けて審議しました。

この間はコロナ禍でオンライン会議がもっぱらであったことから、ハイブリッド会議の今日は会議室で参加した私は委員長の野口晴子・早稲田大学政治経済学術院教授と、私が委員に就任した2020年3月30日の会議以来の本当にお久しぶりのリアルでの再会となりました。
委員は、日本医師会、日本看護協会、全国老人保健施設協会、日本介護支援専門員協会、日本慢性期医療協会、民間介護事業推進委員会、全国老人福祉施設協議会、全国介護付き老人ホーム協会、奥多摩町・秦野市・豊島区の介護保険担当者、大学教員2名の13名で、その内の5名が新任です。
この日の会議は村中・介護業務効率化・生産性向上推進室長の進行で始まり、冒頭で、野口委員長から私は副委員長に指名されました。

そして、濱本高齢者支援課長が【介護分野の文書に係る負担軽減の取組の進捗等について】次の内容をはじめとして、報告しました。
①ICT等の活用による申請等のシステム化については、
・ケアプランデータ連携システム(令和5年度より運用開始)
・電子申請・届出システム(令和4年度着手、令和7年度末全自治体実装)
・地方公共団体情報システム標準化(令和3年度~)
②様式の標準化:229種類の文書を標準化するなど標準様式を作成する分野を拡大することにより、自治体独自ルールの解消を徹底
③その他の取組:専用窓口へ寄せられた独自ルールに関する要望について、随時個別対応を実施

その後、委員による意見発表と質疑応答が行われました。
委員の皆様はこの間の進捗に一定の評価をしつつ、更なる充実に向けたご意見を述べられました。
私は、次の4点について発言しました。
①【指定申請・報酬請求・実地指導関連文書の国が定める標準様式について】は、国の条件整備の進捗と自治体及び事業者の実行に敬意を表しました。
②【簡素化や利便性向上に係る要望を提出できる専用の窓口について】は、最近の利用件数が急減していることから改善に向けて活用を促す広報・情報提供の拡充を依頼しました。
③「電子申請・届出システム」については、昨年度【老人福祉法に基づく申請等のオンライン化に向けた調査研究】に参画した経験を踏まえて、介護保険の文書負担軽減を契機として【老人福祉法に基づく申請等について、「電子申請・届出システム」での申請が可能とできるようシステム改修予定】と記載されていることの意義と着実な推進について発言しました。
④2025年6月に報告書が出された総務省【持続可能な地方行政の在り方に関する研究会】で、全国で進んでいる【人材不足】と【事務処理に関する課題への対応】が求められている中における課題克服の一例として、厚生労働省が進めている【介護情報基盤の整備の取組み】が取り上げられていることを紹介しました。
そして、【介護情報基盤とケアプランデータ連携機能の統合】についても2026年度施行の方向で整備が進められていることから、個人情報保護の視点、情報セキュリティに留意した制度の整備が進み、現場での適切な利用が推進されることを期待すると発言しました。

この会議には、厚生労働省から黒田秀郎・老健局長、林俊宏・審議官(老健局担当)、江口満・老健局総務課長が同席し、委員の意見や質疑応答を傾聴されていました。
黒田局長とは長いお付き合いですし、林官房審議官は私が委員を拝命した当時の老健局総務課長で、直前までこども家庭庁長官官房総務課長でしたので、1年半ぶりに【再開】した会議での委員と厚生労働省の皆様との【再会】を記念して、写真を撮りました。

【介護保険文書負担軽減】の取組みが【老人福祉法に基づく手続きの文書負担軽減】の取組みに波及しているように、今後、質の高い適切なサービスが充実する方向での行政改革が進むことを願って、引き続き委員としての責務を果たしたいと思います。

ユーティリティ

記事検索Entry Search

Search
キーワード

過去ログArchives

RSS Feed