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東京工科大学に導入されたAI開発向けスーパーコンピューター【青嵐】活用への期待

東京工科大学に導入されたAI開発向けスーパーコンピューター【青嵐】活用への期待

10月2日のテレビ東京【ワールド・ビジネス・サテライト】、10月3日付け【日本経済新聞】【MSN】【YAHOOニュース】など多くのメディアに紹介されたのは、東京工科大学が10月2日、人工知能(AI)開発向けのスーパーコンピューター【青嵐】を公開したというニュースです。

東京工科大学は、私が1999年4月に新設された【メディア学部】の教授に就任し、2022年度はメディ学部長をつとめた大学です。
そして、今年の6月から、私は東京工科大学と日本工学院専門学校を運営する【学校法人片柳学園】の評議員をつとめています。
そこで、私は9月26日に蒲田キャンパスの会議室で開催された評議員会議に出席しました。
冒頭、東京工科大学メディ学部の初代学部長で、私が学部長を引き継いだ時に学長に就任された相磯秀夫先生が9月初旬にご逝去されたことを受けて、全員で追悼の黙とうを捧げました。
そして、議事の後で、千葉茂理事長及び香川豊学長から、人工知能(AI)開発向けのスーパーコンピューター【青嵐】の導入について報告をいただいて、本格稼働前の【青嵐】が発する音も聞いていました。

そして、2日に【青嵐】が一般公開されたのです。
「青嵐」は米国のNVIDIA(エヌビディア)の最新GPUアーキテクチャ「Blackwell」を採用しており、世界のスパコンランキング「TOP500」に入る性能を見込んでいます。
詳しい計算性能の検証はこれからとのことですが、理化学研究所が運営する【富岳】などと同じ科学計算向けの用途では、理論上1秒間に3800兆回計算する性能が想定されています。
この処理速度は、国内の私立大学が持つコンピュータの中で「最速」です。
近く測定の予定ですが、理論性能の8割の性能が出せれば、世界のトップ500位にランクインできる見込みです。

東京工科大学は既に2023年にNVIDIA(エヌビディア)と学術交流連携を締結しています。
そして、AI人材の育成や産業界との連携を目指して八王子市内にあるキャンパスに【AIテクノロジーセンター】を開設しています。
9月中旬から【青嵐】の設置工事を始め、10月1日から稼働を始めたものです。
名前は平安時代から鎌倉時代の歌人である西行法師の歌に由来しています。
香川学長は、【AI UNIVERSITY」で目指す社会貢献】【AI-ウェルビーイング】の実現を目指して、何よりも、教員や学生が授業や研究で【青嵐】を活用して、社会に役立つAI人材の育成につなげたいと展望されます。
また、専門学校の中村英詞校長も、専門学校の人材育成に大いに活用したいと意欲的です。
11月上旬以降に、教員や学生向けに順次提供する予定です。

この日、大学は東京都八王子市との連携協定も締結式しました。
具体的には、バスの自動運転技術や行政のデジタル化推進などでAI活用を推進する予定です。
僭越ですが、私が三鷹市長で在任中であれば、大学キャンパスのある八王子市に加えて、三鷹市とも連携していただけるように依頼したところですが、残念です。
ぜひ、八王子市の初宿市長には大学との連携による成果を他の自治体のDX化にヨコ展開していただければありがたいと思いました。

東京工科大学は、学生一人ひとりが自分の夢を実現できることが最も大切と考えています。現在は不透明な時代といわれていますが、社会、経済、環境やテクノロジーがどのように変わっても、これに柔軟に適応できるようにきめ細やかなトータルサポートを行っています。
大学の特徴は、【実学主義】【教養学環】【アドバイザー制度】【先輩学生によるピアサポート】【学修支援センター】【多彩な進路支援】【ノートPCサポートセンター】【奨学金制度】など多様ですが、特に、最近他大学と比較して受験生に注目されているのが、【数理・データサイエンス・AI教育プログラム】です。

すなわち東京工科大学は、1999年に私が最年少の教授として参画して創設した日本初の【メディ学部】をはじめ、【コンピュータサイエンス学部】【工学部】【応用生物学部】【デザイン学部】【医療保健学部】の各学部それぞれにおいて、これからのデジタル社会における基礎的素養として、データやAI(人工知能)を適切に活用するための数理的な力の育成を位置付けています。
たとえば、各学部の1年生を対象に、「データサイエンス入門」を必修科目としています。
学内外のさまざまな分野の専門家が講義に登壇し、研究実践における実例紹介を通して、数理・データサイエンス・AI利用の多様さを理解し、興味・関心を持てる授業を展開しています。
今回の【青嵐】の導入によって、さらにAIを身近に感じること、活用することを通して、近未来に向けた学びの意欲と適切なリテラシーをもった人材育成を図ることが期待されます。
評議員会議の際に、千葉茂理事長が、これからも大学の学長、専門学校の校長が、学生や教員の生の声を踏まえて、今よりちょっと先の未来を見通して、社会に役立つ研究と教育をしていきたいと決意を語られていました。

なお、スタンフォード大学とエルゼビア社が2025年9月19日に更新・発表した世界のトップ2%の科学者を特定する包括的なリスト【標準化された引用指標に基づく科学者データベース(更新版)】に、香川豊学長、山下俊副学長(工学部応用化学科教授)、佘錦華(シャキンカ)教授(工学部機械工学科)、荒川貴博教授(工学部電気電子工学科)、佐藤拓己教授(応用生物学部応用生物学科)が選出されました。
このリストは、世界中で高い影響力を持つ科学論文を執筆した研究者を対象に作成されたものです。
学生の学ぶ意欲と学ぶ力を支える、このような教員の皆様をはじめ、すべての教員の皆様の教育力に期待します。

私は、東京工科大学のメディア学部長在任中に、三鷹市の皆様のご推薦により三鷹市長選挙への挑戦を決意することになったため、大学には大変にご迷惑をおかけしました。
このたび、東京工科大学及び日本工学院専門学校の教育に貢献する【学校法人片柳学園】の評議員の役割をいただいたことから、しっかりとその責任を果たし、ご恩返しをしていきたいと思います。
 

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