【こども政策、少子化対策、若者活躍等を担当されている内閣府特命担当大臣の黄川田仁志衆議院議員とお会いしました】
10月21日に、高市早苗総理大臣が就任され、新しい内閣が発足しました。
私が参与を務めているこども家庭庁は内閣府に位置付られています。
このたびの組閣で【内閣府特命担当大臣】として、こども家庭庁が所管している【こども政策、少子化対策、若者活躍】を担当されているのは黄川田仁志衆議院議員です。
黄川田大臣は、他の特命として【沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、こども政策、少子化対策、若者活躍、男女共同参画、地方創生、アイヌ施策、共生・共助】を担当されるとともに、【女性活躍担当大臣】、【共生社会担当大臣】、【地域未来戦略担当大臣】でもあり、幅広い行政分野を所管されています。
そこで、大臣に就任されてから、連日連夜、所管事項について把握されるお時間を確保されています。
私はこども家庭庁参与として、こども家庭庁の一部の行政説明の機会に参画させていただき、黄川田大臣とお目にかかることができ、お話を伺うことができました。
その中で、特に印象に残ったのは、黄川田大臣の少子化政策に向けた想いです。
黄川田大臣は、近年、顕著になっている少子化について、議員としても、担当する大臣としても、国及び地方自治体にとっての重要課題の1つとして認識されています。
その上で、その政策を進める際に、婚姻率や出生率の数値を重視しすぎて、それらを上昇させることだけを政策目標とすることについては、慎重な想いをもたれていることを話されました。
すなわち、結婚することも、こどもを産み育てることも、国民の1人ひとりがそれぞれの意志を尊重され、みずからの意志で決めていくことができることが基本であり、それを可能とする言わば【社会のふところの深さ】が大切ではないかとおっしゃいました。
黄川田大臣は、大学・大学院や研究所において、ご専門の1つとして、特に海洋の生態学について研究を深められたそうです。
そこで、生物は環境に影響を与え、環境は生物に影響を与えるという視点に立つならば、総合的に環境をよくすることによって、人類の持続可能性を確保することは可能であり、よい環境の在り方について、謙虚に考えて整備を進めていくことが大切ではないかとおっしゃいました。
さて、一般的には、政策を進めるときに、その効果を定量的にはかるとともに、定性的に図ることが有用です。
そこで、少子化に関する政策の定量的把握については近年低下傾向にある婚姻率や出生率の上昇をはかることは一つの指標となります。
同時に、黄川田大臣が示唆されたように、結婚、出産・育児については国民一人ひとりの意思決定が基礎となります。
そこで、結婚したいと思う人、出産・育児をしたいと思う人が、その思いを実現することができるような環境整備が必要です。
黄川田大臣は、同時に配慮すべきこととして、結婚・出産を選ばない人が批判されたり、生きにくくなるような社会は望ましくないと言われました。
少子化傾向については、どうしても国や地域にとって与える影響を悲観的に認識する傾向があります。
そうした中で、黄川田大臣が、国民の多様な生き方の意思決定を保障し、それを包摂し抱擁する【社会のふところの深さ】が求められているのではないかと言われたことには、説得力がありました。
黄川田大臣の事務所には、【2025年のテーマ】として【傾聴】の2文字が掲げられていました。
私も、大学教員としても、三鷹市長としても、【傾聴】を心がけていましたので、共感させていただきました。
私は市長在任中、市民の皆様にも【傾聴ボランティア養成講座】を開講して、修了された方には、地域コミュニティで1人暮らしの高齢者の方等のお話を傾聴していただくボランティアをしていただいてきました。
さて、こども家庭庁の設立の理念であり、【こども大綱】にも明記されていますように、こども・若者を含む国民が、【ウェルビーイング】すなわち、【身体的・精神的・社会的に良い状態にあること。短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念。】を実感できることが重要です。
そこで、今を生きるこども・若者が、のびのびと、いきいきと、それぞれのライフデザインを考える機会を通して、出会い・恋愛・結婚・出産・育児・家事などの個人・家庭生活と、職業や趣味・社会活動等のそれぞれを、主体的に選択して、意思決定して生きていくことできるような環境整備が求められます。
こども・若者の活動が、他の世代にも影響を与え、多世代交流を促していくように思います。
短時間の面談の機会でしたが、黄川田大臣が目指されているのは、まさに、国民の【ウェルビーイング】を政策の起点に置いて、大臣として所管されている幅広い行政分野の取組みを、国民の声を【傾聴】しながら進めようとされているのではないかと受け止めさせていただきました。
清原慶子 Official Website
