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【こども誰でも通園制度】の本格実施に向けた自治体担当者の意見交換会に参加

【こども誰でも通園制度】の本格実施に向けた自治体担当者の意見交換会に参加

【こども誰でも通園制度】は、生後6カ月から、3歳未満の幼児を対象に、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間(現時点では10時間)までの利用可能枠の中で、【就労要件】を問わず、時間単位等で、柔軟に利用できる【新たな通園給付】です。
2025年度に【子ども・子育て支援法】に基づく【地域子ども・子育て支援事業】として自治体の判断で実施され、2026年度からは【子ども・子育て支援法】に基づく【乳児等のための新たな給付】として全国の自治体において実施されることになっています。
そこで、国では、政令・内閣府令(施行規則等)の改正、運営基準の制定、公定価格告示の制定、各種通知の改正・発出、実施に向けた予算確保、『こども誰でも通園制度の実施に関する手引』の更新、リーフレット等作成、総合支援システムの改修等市区町村・都道府県への本格実施に向けた連携・支援が求められます。

その準備の一環とし、7月からこども家庭庁に「こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討会」が設置され、自治体の担当者、幼稚園・保育園・こども園等の事業者、有識者の構成員による検討が開始されています。
私も市長経験者として審議に参画しています。

そして、都道府県では、実施に向けた予算確保、市区町村への本格実施に向けた助言・支援(広域的な対応を含む)、市区町村の実施状況等に関する情報集約が進められています。
【こども誰でも通園制度】の最前線である市区町村では、① ニーズ把握と必要量の推計、「子ども・子育て支援事業計画」への盛り込み、② 実施に向けた予算確保、③ 条例等の制定、改正、④ 実施事業所の検討・実施に向けた事業所との調整、⑤ 認可手続き(市町村児童福祉審議会等への意見聴取等)、⑥ 子ども・子育て支援法に基づく施設の確認、⑦ 全体としての提供量の確保と施設整備、⑧ 広報周知など、多くの取組みが進められています。

このうちの事業所の認可に関する確認基準について、国は内閣府令の案を提示し、自治体は条例案について検討し、議会での審議に基づく制定が予定されています。
そこで、国ではこれまで、2026年度の円滑な事業実施のため、自治体の準備業務をチェックリスト化し自治体へ提供し、あわせて、新たに発生する業務(認可、確認、給付認定、給付費の支給等)に係る業務フローや参考様式を発出しています。

その一環として、10月27日(月)の午後に【こども誰でも通園制度情報交換2025~先行自治体に学ぶ『認可について』編~】が、こども家庭庁の会議室と希望都道府県と希望市区町村をオンラインで結んで開催されました。
私は、市長経験者えある検討会構成員として、現場の自治体の皆様の生の声を傾聴したいと思い、陪席させていただきました。

まず、会場で参加してくださった【東京都多摩市子ども青少年部子ども・若者政策課幼児教育・保育担当】の秋葉さんと髙木さんから、多摩市の【こども誰でも通園制度】の取組みの概要と、特に幼稚園についての【認可事務の流れと工夫】についての報告がありました。
その後、参加自治体の皆様との質疑応答が行われました。

次に、【熊本県熊本市こども局こども育成部保育幼稚園課】の久保さんと白石さんから、熊本市の【こども誰でも通園制度】の取組みの概要と、特に社会福祉法人についての【認可事務の流れと工夫】についての報告がありました。

その後、同様に、参加自治体の皆様との質疑応答が行われました。
ハイブリッド形式のメリットの1つとして、オンライン参加者の方が【チャット】に報告された2つの自治体に対する質問を記入されることになっているのですが、それだけでなく、【チャット】の中で、参加自治体の皆様の事例の紹介や、課題解決のヒントも記載されることがあり、【チャット】の内容には【こども誰でも通園制度】に関する課題の提起と、課題解決に向けたヒントが多く掲載されることになっています。

多摩市及び熊本市の皆様の質疑への回答に、本格化に向けた現場の実践に裏付けられた取組みのヒントが示されているとともに、【チャット】の内容にも、複線的に本格化に向けた対応のヒントが多く含まれていました。
会場には、札幌市・川崎市・大阪市・福岡市の指定都市の担当職員、杉並区・練馬区の特別区の担当職員、狭山市・取手市・習志野市など一般市の担当職員の皆様が23名参加されており、会議の終了後には、相互の対話が深まっていました。
オンラインでは1134自治体・1508名の自治体職員の皆様が参加されました。

こども家庭庁の姿勢は、①こども・子育て世代の視点。②自治体との連携、③こども子育て関係の事業者との連携です。
新しい制度である【こども誰でも通園制度】については、【こどもの成長の観点からの意義】として、①家庭とは異なる経験や、地域に初めて出て行って家族以外の人と関わる機会が得られる、②同じ年頃のこども同士が触れ合いながら、家庭だけでは得られない様々な経験を通じて、ものや人への興味や関心が広がり、成長していくことができる、③年齢の近いこどもとの関わりにより、社会情緒的な発達を支えるなど成長発達に資する豊かな経験をもたらす、などが指摘されています。

【保護者の視点からの意義】としては、①専門的な知識や技術を持つ人との関わりにより、ほっとできたり、孤立感、不安感の解消につながる、②こどもへの保育者の接し方を見ることにより、こどもの成長の過程と発達の現状を客観的に捉えられるなど、保護者自身が親として成長することができる、③様々な情報や人とのつながりが広がり、保護者が子育てにおいて社会的資源を活用することにもつながる、などが指摘されています。

そのメリットを実現するためには、自治体が国と連携して制度として整備する必要があります。
そこで、これまでの意見交換会には、多くの自治体の職員の皆様が参加されています。
第1回の意見交換会は 5月23日(金)の午後に【自治体準備パッケージ編】として開催され、希望都道府県と希望市区町村の1871名 (自治体数1015)の参加があり、対面は44名でした。
第2回の意見交換会は【自治体担当者座談会編】として7月25日(金)午後に開催され、希望都道府県と希望市区町村の1748名(自治体数811)の参加があり、対面で25名が参加されました。

【こども誰でも通園制度】に関する意見交換会に参加して、担当職員の皆様の新しい制度を円滑に実施するために取組まれている職務への責任感と、課題認識の重さを痛感して、ありがたく思いました。
それとともに、この意見交換会の実施を契機に、保育や幼児教育を担当する自治体職員間の自治体の垣根を超えた連携の輪が広がっていること、こども家庭庁と自治体担当者の風通しのよさと更なる連携の必要性と意義を痛感しました。

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