茶話会で再確認した【総務省統計委員会】の委員をつとめさせていただいたことの幸いと感謝
私は三鷹市長在任中の2015年10月14日付けで、当時の安倍晋三内閣総理大臣の任命を受けて、【第5期統計委員会】委員を拝命して以来、市長退任後の2019年10月14日付の【第7期統計委員会】以降も委員を継続させていただき、【第9期統計委員会】の任期末である2025年10月13日までの5期10年間、委員を務めさせていただきました。
10月13日に統計委員会委員の任期の最後の日を迎えて、まことに感慨深いものがあります。
幸いにも先日、その感謝の気持ちを素直に表すことができる機会がありました。
それは、統計委員会関係者の参加による茶話会の開催でした。
この日は、第9期統計委員会の椿広計委員長(大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
統計数理研究所名誉教授)、津谷典子委員(慶應義塾大学名誉教授)、櫨浩一委員(公益財団法人都市化研究公室特別研究員)、佐藤香委員(東京大学名誉教授)、松村圭一委員(株式会社第一生命経済研究所常務取締役経済調査部長)、會田雅人委員(滋賀大学データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター特任教授)と私が、委員としては参加しました。
そして、総務省からは、横田顧問(前総務審議官)、坂本総務審議官、山田情報公開・個人情報審査会事務局長、永島統計局長、北川政策統括官(統計制度担当)、北原国際統計交渉官(前政策統括官)、阿南審議官、植松統計企画管理官、阿向統計調査部長、岩佐統計高度利用特別研究官、小松調査企画課長、谷本統計委員会担当室長、田村行政評価局評価監視官はじめ多くの職員の皆様が参加されました。
さらに、栗原統計研究研修所長・永井研究部長、佐伯統計センタ―理事長・南理事はじめ関係団体の皆様も参集されました。
茶話会は統計委員会担当室の赤谷次長の進行で、和やかな対話を中心に進みました。
その後、統計委員会委員は全員が一言ずつ挨拶することになりました。
椿委員長も今期でご退任とのことです。
私は、椿委員長のもとで、取り組んだ統計作成プロセスの改善に向けた審議や、初めて設置していただいたデジタル部会の取組みなど多くの取組みを振り返りながら、深く感謝申し上げました。
私の挨拶では、5期10年にわたり統計委員会委員を通して、13名しかいない委員の1人として選ばれたことの責務の重み実感しながら、公的統計の質の向上を図る取組みに、研究者と1人として、市長の視点から自治体の声を発信する立場として参加することを通して、大いに学びつつ貢献してきたことへの感謝を申しました。
また、歴代委員長のもとで、委員の皆様、事務局の皆様と、大変にフラットで建設的な委員会の運営がなされてきたことにも感謝するとともに、今後も公的統計の充実に向けて陰ながら貢献したいとの意思をお伝えしました。
さて、【統計委員会】は、「統計法(平成19年法律第53号)」に基づき、公的統計の整備のための第三者機関として設置されています。
私が最初に就任した時の事務局は内閣府でしたが、その後2016年4月1日から総務省に移管されました。
【統計委員会】は、統計に関する基本的事項、基本計画の案、基幹統計調査の変更など統計法に定める事項に関する調査審議を行うこと、基本計画の実施状況に関し総務大臣等に勧告すること、関係大臣に必要な意見を述べることなど、公的統計において重要な役割を果たしています。
【統計委員会】の委員の人数は統計法に「13人以内」とされています。そして、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命することとされていることから、この間5回にわたって、私は歴代の内閣総理大臣の委嘱状をいただいてきました。
統計委員会には、企画部会、国民経済計算体系的整備部会、人口・社会統計部会、産業統計部会、サービス統計・企業統計部会、統計基準部会、統計制度部会、統計作成プロセス部会、デジタル部会の9つの部会と評価分科会が設置されています。
私は「統計及び統計制度の発達及び改善に関する基本的事項のうち特に重要な事項」などを所管する【企画部会】に属すると共に、「政省令の制定又は改廃に関する事項・基幹統計調査に係る匿名データに関する事項」を所管する【統計制度部会】の部会長をつとめました。
そして、第9期には、新たに設置された「デジタル分野に関する事項」を所管する【デジタル部会】の部会長をつとめました。
部会や分科会には、委員の他に臨時委員・専門委員の皆様が加わって審議が行われます。
公的統計は、国と地方自治体が連携し、調査対象である国民をはじめ民間企業等の皆様の協力により成立しています。
そこで、私は研究者として公的統計を利活用したり、社会調査の経験があるとともに、三鷹市長として、職員とともに政策形成過程において公的統計を利活用するとともに、市の基本的な統計を収集するとともに、国勢調査をはじめ公的統計を統計調査員の皆様とご一緒に実施する責務を果たした実践から、統計委員の責務を果たしてきました。
この間、統計委員会はほぼ毎月1回開催されてきましたので、2015年10月26日の第92回から、2025年9月28日の第221回の会議まで、約130回の会議をはじめ各部会に参画してきたことになります。
私は、公的統計に関する改善や変更に関する諮問への審議・答申、「公的統計基本計画」やそのフォローアップに関する審議、「産業分類」の変更についての検討、毎年度の「統計リソース」に関する建議、統計の不適切事案を契機とするタスクフォース構成員としての取組み、初めて設置された【デジタル部会】での開発的審議への挑戦など、【公的統計】を中核として、多角的多面的な審議に参画することができました。
こうして、統計委員会委員としての活動を通して、研究者として、政策形成当事者として、国民の1人として、貢献に努めた以上に多くのことを学ばせていただきました。
それを支えていただいたのが、歴代総務大臣・副大臣・大臣政務官、総務事務次官、統計委員会担当の総務審議官、統計局長、統計調査部長、政策統括官(統計制度担当)、同審議官、統計委員会担当室長はじめとする職員の皆様です。
茶話会に、多くの職員の皆様が結集してくださいましたように、私が経験してきたのは、まさに【チーム統計委員会】であったと思います。
ここで、統計委員会委員を退任しますが、これまでの公的統計をめぐる貴重な経験を、必ず今後の私の活動の中に生かし、貢献していくことでご恩返しをしていきたいとの決意を新たにしています。
清原慶子 Official Website
