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【三鷹ネットワーク大学創立20周年を迎えて】

【三鷹ネットワーク大学創立20周年を迎えて】

「特定非営利活動法人三鷹ネットワーク大学推進機構」の鈴木典比古理事長からお招きを受けて、10月11日(土)、三鷹産業プラザで開催の【三鷹ネットワーク大学創立20周年記念講演会・記念式典・祝賀会】を訪問しました。

第1部では、鈴木典比古理事長による『大学教育の現状と未来~日米両国の大学教育に携わった経験から〜】の講演がありました。
鈴木理事長は、一橋大学卒業後、米国インディアナ大学に留学され、経営学博士号を取得され、ワシントン州立大学准教授、イリノイ大学助教授を経て、国際基督教大学学長、国際教養大学理事長兼学長をされ、現在は広島県公立大学法人理事長をされています。

第2部では、設置者の三鷹市長から、初代理事長で元法政大学総長の故・清成忠男先生、杏林学園の松田博青・前理事長、(株)スタジオ・ジブリ、自然科学研究機構国立天文台に特別感謝状が贈られました。
そして、鈴木理事長から、現在、理事を務められているすべての大学・研究機関に感謝状が贈られました。

その後、祝賀会に移り、現在私が客員教授を務めている【杏林大学】の渡邊卓学長が乾杯のご発声をされました。
その際、「私は今年の春に、松田博青・前理事長の後を受けて理事になったばかりです。そこで、この式典に参加して、改めて20年以上前に、教育・学習機能、研究・開発機能、窓口・ネットワーク機能を広く地域の皆さまに提供し、市民の皆さまの生活・知識・経験・交流に資することを目的に、市内外の大学・研究機関のネットワークを創立し、「民学産公」の協働を進めるという理念を正面に掲げるという見識は素晴らしい事であり、慧眼だと思います。それを実行された前市長の清原先生はじめ皆様に、あらためて深い敬意を申し上げたい」との趣旨の言葉を述べてくださいました。
私は、そのお言葉を聴いて、深く感動しつつ、設立当初のことを思い出しました。

2003年4月30日に第1期目の三鷹市長に就任した私は、マニフェスト(市民の皆様とのお約束)に示していた「三鷹ネットワーク大学・大学院(仮称)」の設立の可能性を検討する組織として、2002年に発足していた「あすのまち・三鷹」推進協議会(平成18年3月事業終了)のプロジェクトの中に、2003年9月に「三鷹ネットワーク大学・大学院(仮称)検討委員会」を設置しました。

私がなぜ「三鷹ネットワーク大学・大学院(仮称)」を構想したかと申しますと、私自身が市長に就任する前に、常磐大学人間科学部、ルーテル学院大学文学部、東京工科大学メディア学部という3つの大学で教員として働いた経験から、【大学と自治体の協働の重要性】【地域に開かれた大学の意義】を強く認識していたからです。
自治体は、少子長寿化、国際化、情報化、都市化といった社会の激動に伴う諸課題に対応するために、大学研究機関の叡智が必要であるし、大学としても、大学の学問に基づく社会貢献を実現し、大学生や大学教員の研究調査のフィールドを確保するためにも、自治体との連携が重要性を増していると考えていたのです。

そこで、検討する組織の委員長には、すでに三鷹市と地域の諸課題の解決に向けた調査研究をされたご経験があるとともに、当時の法政大学総長として、大学の教学と経営の両方に責任を取る役割をされていた清成忠男先生に依頼しました。
委員会には、市内のアジア・アフリカ文化財団、杏林大学、国際基督教大学、国立天文台、ルーテル学院大学に加えて、市外の電気通信大学、東京工科大学、東京農工大学、日本女子体育大学、法政大学が参加してくださいました。
そして、翌年の2004年4月に、検討委員会より、三鷹市に対して「ネットワーク大学」設置に向けた提言書が提出されました。
それを受けて、6月に「三鷹ネットワーク大学(仮称)開設協議会(会長:清成忠男法政大学総長=当時)」を設置し、2005年3月に第3回開設協議会で14の教育・研究機関と三鷹市が基本協定を締結したのです。

さらに、5月に、アジア・アフリカ文化財団、亜細亜大学、杏林大学、国際基督教大学、国立天文台、電気通信大学、東京工科大学、東京農工大学、日商簿記三鷹福祉専門学校、日本女子体育大学、法政大学、明治大学、立教大学、ルーテル学院大学、三鷹市を正会員とする、特定非営利活動法人(NPO法人)【三鷹ネットワーク大学推進機構】(理事長:清成忠男法政大学総長=当時)の認証を東京都へ申請しました。
8月には、東京都よりNPO法人認証書を交付され、法人登記を完了し、9月の市議会定例会でNPO法人三鷹ネットワーク大学推進機構が公の施設「三鷹ネットワーク大学(以下ネット大)」の指定管理者に指定(平成17年10月~27年9月)されました。

その後、ネット大は、「民(市民)」「学(大学研究機関)」「産(産業界)」「公(市役所等の公共機関)」「官(国の機関)」がつながり、それぞれが持つ知的資源を最大限に活かして協働し、三鷹市から全国に向けて、そして、未来に向けて、地域課題の解決を含む「まちづくりの新しい扉」を開く「大学研究機関との協働の新しいカタチ」を示してきました。
現在は、大学等の正会員21団体、大学・企業等の賛助会員53団体です。

創立10周年の際には、三鷹ネットワーク大学のキャンパスで開催された「創立10周年記念シンポジウム」をもとに、『人生100年時代の地域ケアシステム~三鷹市の地域ケア実践の検証を通して~』の本が刊行されました。
さて、私は市長を退任後は、【初代設置者】として想いのあった三鷹ネットワーク大学の「受講者登録」をしました。
そして、【星の準ソムリエ】講座を受講して、修了書をいただいています。
また、そのほかの講座を聴講することもありました。
けれども、企画や運営に関わることはまったくありませんので、このたびは「初代設置者」として、創立20周年記念事業のご案内をいただいて光栄に思いました。
歴代の理事の皆様にお目にかかりたいと思っていましたが、残念ながら、勇退された方々も多いことから、ご参加は少ないようでした。

そうしたところ、三鷹市役所の各部の部長が参加してくれていたので、久しぶりに再会して、対話し活躍を激励できたことは幸いでした。
私は、「初代設置者」として、創立20周年にあたり、感謝状を贈られた正会員の大学・研究機関の理事の皆様、多くの賛助会員の皆様はもちろんのこと、数えきれない受講者の皆様、【三鷹まちづくり総合研究所】【三鷹教育・子育て研究所】の研究員の皆様、【協働研究】を進めてこられた参加者の皆様、そして、20年間の運営を担ってくださった職員の皆様のご活躍に、心から敬意を表し、感謝したいと思います。
市【民】の皆様、大【学】研究機関、【産】業界、【公】(市役所等公共機関)の協働の取組みの持続可能性を確保するために、【三鷹ネットワーク大学】の活動が活性化することを、初代設置者として心から願っています。
 

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