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中央教育審議会初等中等教育分科会・新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会合同のweb会議に参加しました。

中央教育審議会初等中等教育分科会・新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会合同のweb会議に参加しました。

1月14日(金)、私は委員を務めている中央教育審議会初等中等教育分科会(第129回)・新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会(第19回)合同のweb会議に参加しました。
議題としては、「新しい時代の初等中等教育の在り方」についての諮問に応えてまとめた「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して〜全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現〜(答申案)」をはじめとして、令和3年度初等中等教育局関係予算(案)、令和2年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査報告、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議報告資料、新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議、教員養成課程部会及び教育課程部会の報告でした。

答申案には、「1人1台タブレット端末を活用したGIGAスクール構想」の拡充などICTの最適な活用、「小学校高学年からの教科担任制の導入」、「35人以下の少人数学級制の導入」などの具体的な施策の提案が含まれています。
私は「答申素案」を審議する会議で、ICTの活用等の施策を実現するためには、第一に「教員の情報リテラシーの向上を含む資質の向上と人数の確保」が必要であることから、教員養成課程や研修の充実に向けた検討の継続が不可欠であると提起しました。
第二に、三鷹市長在任中の経験からも「教育委員会と首長部局の更なる連携」が必要とも提起しました。
この2件については、答申案の最後の「今後更に検討を要する事項」に記載されており、提案が反映されたことに感謝しています。

また、私は14日の各報告に通底している、ある重要なキーワードを見つけました。
それは「健康」です。

答申案の各論 「4.『令和の日本型学校教育』の構築に向けた今後の方向性」には「(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する」という項目があります。
そこには、「今般の新型コロナウイルス感染症対応の経験を踏まえ,新たな感染症や災害の発生等 の緊急事態であっても必要な教育活動を継続することが重要である。このため,『新し い生活様式』も踏まえ,児童生徒一人一人の健康に対する意識を向上させるとともに, 健やかに学習できるよう,トイレの乾式化・洋式化や特別教室等への空調設備の設置等 の衛生環境の整備や,新しい時代の教室環境に応じた指導体制や必要な施設・設備の整備を図ることが必要である。」などの記述がなされています。
また、学校の働き方改革の取組状況調査では、感染症対策として「教員による清掃・消毒作業」が9割以上の小中学校で行われていると報告されています。
そして、デジタル教科書の検討会議でも、健康の視点から、「3 児童生徒の健康に関する留意事項や対応方策」について検討されて、タブレット等端末を見る時間、目と端末の画面との距離、適切な学習環境についてまとめられています。
また、令和3年度予算案には「児童生徒の心身の健康の充実」という施策が明記され、「学校等欠席者・感染症情報システムの充実」「児童生徒の健康管理・健康づくりの推進」「感染症拡大に伴う学校給食・食育の課題に関する調査研究」などの事業予算が計上されています。

さて、今期の初等中等教育分科会の昨春からの1年間はコロナ禍に直面し審議はすべてweb会議でした。
メリットとしては、文科省の会議室から遠方の委員の皆様の参加が比較的容易となり、委員の会議参加率は高くなりました。
その分会議時間はそれぞれ3時間程度でしたが、答申案には幅広い分野の委員の多様な意見が反映されていると感じます。
さらに、「答申素案」段階で意見募集(パブリックコメント)も行われて、約200件の意見が寄せられました。
今後は、合同会議での意見を反映した最終答申案がまとめられて、1月末の中央教育審議会総会に提出され、文部科学大臣に提出される予定です。

コロナ禍で改めて「学校」が持つ役割が再確認されています。
学校の主人公は自立的に学ぶ子どもたち、児童生徒です。子どもたちが心も体も健康に成長するためには、同じように心も体も健康な教職員による学びの保障が必要です。

また、学校教育活動に、保護者や多様な地域の皆様の参画も求められます。
私は小学校1年生の孫と同居しており、その学びを支える役割を果たしている実感も込めて、コロナ禍に負けない初等中等教育の実現が重要であると強く思います。

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