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「第10回認知症にやさしいまち三鷹」に参加しました。

「第10回認知症にやさしいまち三鷹」に参加しました。

11月12日、「第10回認知症にやさしいまち三鷹」に参加し、認知症を支える家族の会をはじめ活動団体の展示を見ました。

講演会では、杏林大学病院認知症疾患医療センター長の神﨑恒一教授は「認知症には予防と備えが必要であり、『認知症ガイドブック』を活用してほしい」と挨拶しました。
そして、9年前の39歳の時に若年性アルツハイマーと診断された丹野智文さんの講演及び丹野さんと精神保健福祉士の青山聡子さんとの対談を聴きました。

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丹野さんは、自動車の営業マンとして活躍していた39歳で若年性アルツハイマーと診断された時、生命の不安や家族への影響を考えて、「アルツハイマー=人生の終わり」と受け止めて、涙が止まらなかった経験を率直に話しました。
幸いにも職場には理解があり、事務職に異動して病気の検査や治療の時間をくれたとはいえ、役所などに相談しても、30代なら介護保険が使えないといった反応しかなくて、真の不安に応えるものがなかったことを語ります。
しかしながら、考え方を変えて考える時、認知症によって、家族との時間が増えたり、たくさんの人との触れ合いが増えたりしたわけであり、すなわち、認知症によって得たありがたい事柄に目を向けることにしたそうです。

そこで、認知症の初期はなかなか診断がつかないこともあり、自分自身が病気をオープンにすることで、病気の早期発見に役に立ちたいと考えるに至ったそうです。
もちろん、認知症への偏見も想定したことから、妻やこどもたち家族の理解と応援を得ることができたからこそ、認知症をオープンにして、当事者としての立場に基づく経験や意見を語ることを決断したそうです。

丹野さんは、認知症の自分は会った人のことを忘れてしまうことがあっても、自分と会った相手の人は自分のことを忘れないということ、認知症の人にとっては、周りの人は介護者や世話人ではなく、何かを一緒にする「パートナー」と考えることの意義を語ります。
しかも、認知症の人の全てに介護者が必要なのではないので、家族や周りの人が何もかも世話をし過ぎてしまうのではなく、できる限り当事者の「自立」を促すことが必要と語ります。
今は、勤務先の自動車会社の仕事として認知症の当事者としての講演等を行うとともに、認知症の人に当事者がよりそう施設での活動をしているそうです。

青山さんとの対談では、認知症の人々の相談に乗ったり、当事者としての講演をすることは、楽しいから継続できるし、対象の当事者が元気になることを知ることで、自分も元気になれると語ります。
そして、可能な限り、認知症当事者の声を聴いてください、そして本人のための安心を確保することが、患者の家族や関係者の安心につながるのだと語ります。
丹野さんは『認知症の私から見える社会』(講談社+α新書2021年)を刊行しています。

若年性認知症の患者は認知症患者の1割弱と承知していますが、まさにその当事者である丹野さんの生の声を聞けたことは本当に有意義でした。
認知症を「予防」するとともに、認知症になった時のための「備え」のために、正確な知識と心の準備をすることの大切さを痛感しました。

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