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中央教育審議会教育振興基本計画部会での審議について

中央教育審議会教育振興基本計画部会での審議について

文部科学省中央教育審議会第13回教育振興基本計画部会に副部会長としてオンラインで参加しました。
議案は、「次期教育振興基本計画について(答申素案)についてです。
この間、12回にわたる部会での審議を踏まえて添付の概要のように、内容をまとめて来ました。
2022年に「学制100年」を迎える中、長引くコロナ禍とウクライナの国際的な社会経済情勢の不安定化が進んでいます。
こうした背景を踏まえて、計画のコンセプトを、「2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の養成」と、「日本に根ざしたウェルビーイングの醸成」の2つにまとめました。
そして、今後の教育政策の基本方針として、次の5項目を設定しました。
○グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成
○誰一人取り残さず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進
○地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進
○教育デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進
○計画の実効性確保のための基盤整備・対話
その上で、「今後の教育政策の推進にあたっての評価と投資」として、
○ 教育政策の持続的改善のための評価・指標の在り方
○ 教育投資の在り方
○こども政策との連携
が挙げられています。
これらに基づいて、「今後5年間の教育政策の目標と基本施策」として16項目が提起されています。
1.確かな学力の育成、 幅広い知識と教養・専 門的能力・職業実践力 の育成
2.豊かな心の育成
3.健やかな体の育成、 スポーツを通じた豊かな 心身の育成
4.グローバル社会におけ る人材育成
5.イノベーションを担う人 材育成
6.主体的に社会の形 成に参画する態度の育 成・規範意識の醸成
7.多様な教育ニーズへの対応と社会的包摂
8.生涯学び、活躍できる環境整備
9.学校・家庭・地域の連 携・協働の推進による地域 の教育力の向上
10.地域コミュニティの基 盤を支える社会教育の推進
11.教育DXの推進・デジタル人材の育成
12.指導体制・ICT環境 の整備、教育研究基盤の 強化
13.経済的状況、地理的 条件によらない質の高い学 びの確保
14.NPO・企業・地域団 体等との連携・協働
15.安全・安心で質の高 い教育研究環境の整備、 児童生徒等の安全確保
16.各ステークホルダーとの 対話を通じた計画策定・フォ ローアップ
この日審議された答申素案は、部会の審議経過を踏まえつつ、28の関係団体ヒアリング、1089件のパブリックコメント、小学生から大学院生までの参加によるユースラウンドテーブルやこども若者ユース政策モニターを対象としたアンケート結果など、こども若者の意見も反映しています。
今後、本部会では、3月の中央教育審議会総会での答申に向けて、答申案をまとめていくことになります。
計画は策定することが目的ではありません。家庭、学校等教育機関、職場、地域社会において、望ましい教育の過程が実現していかなければなりません。
そのために、答申素案でも、数値で把握できる定量的評価だけでなく、質を見極められるような定性的な評価の必要性を指摘すると共に、調査、評価や統計については学校現場にフィードバックすることの意義も指摘しています。
この日も、委員の皆様の発言は常に建設的で、「答申素案」にさらなる磨きをかけて、少しでもよい「答申案」にしようという強い意気込みを感じました。
次期教育振興基本計画の具体的な現場は、一人ひとりが学ぶことを保障され、学び合い、支え合うことによって、生涯にわたって学ぶ喜びや自己実現を実感できる家庭、学校、職場、地域社会などの場です。
この間、私は個人のウェルビーイングが、家庭、学校、職場、地域社会での人々のウェルビーイングにつながるような教育活動が進むことを願いながら、次期教育振興計画の審議に加わって来ましたが、答申がまとまるまで引き続き、誠心誠意参画し、計画の実現にもぜひとも貢献していきたいと思います。

会議資料は下記のURLです。
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/000214286.pdf

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