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【東京都庁での坂本雅彦教育長との対話】

【東京都庁での坂本雅彦教育長との対話】

連休期間中のある日、東京都庁第二庁舎にある東京都教育庁を訪問して、坂本雅彦教育長と面談しました。
坂本教育長と私は、2025年3月に文部科学省第13期中央教育審議会の委員に任命されました。
私は、ご一緒に審議に参加している委員の皆様とは、会議の前後等に対話の機会をいただいています。

中央教育審議会は会議室とオンラインでのハイブリッド方式で開催されており、私は文部科学省の会議室で参加することが多いのですが、坂本教育長はご公務の関係でなかなか会議室で参加されていないことから、ぜひ、一度お目にかかってお話ししたいと思い、面談の機会をいただいたものです。
坂本教育長は、私が三鷹市長在任中は東京都産業労働局総務部総務課長、東京都産業労働局観光部長、商工部長、そして総務部長をおつとめでした。
さらに、2020年には産業労働局次長、2021年には産業労働局長に就任されました。
2024年4月から政策企画局長を務められたのち、10月に教育長に就任されました。
そこで、三鷹市長としての私にとっては、坂本教育長は首都東京の産業労働分野の専門家であり、厳しい社会経済環境の中での産業振興と働き方改革を主導されてこられた方としてお世話になっていた方です。

この日の、面談には4月早々にこども家庭庁を訪問されたときにお目にかかっていた東京都教育庁の相川隆史・教育政策担当部長が同席してくださいました。
私からは、まずは、【学校設置者等及び民間保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(略称:こども性暴力防止法・いわゆる日本版DBS法)】に関する、2026年12月の施行予定までのガイドラインやマニュアルの作成、執行体制、情報システム開発等のスケジュールについて紹介しました。
東京都は学校教員の採用はじめ人事を所管していることから、この制度の適切な取組みが期待されています。
その後、2024年8月の中央教育審議会答申「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について~全ての子供たちへのよりよい教育の実現を目指した、学びの専門職としての「働きやすさ』と『働きがい』の両立に向けて~」を踏まえつつ、2024年12月に諮問された「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について」の意義と検討課題について共有しました。

さらに、同じく昨年12月に諮問された「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」お話しする中で、坂本教育長は、次期学習指導要領についての検討の際には、児童・生徒の視点とともに、現場で日々の教育実践を直接的に担う教員の視点をしっかりと受け止めて策定する必要があると話されました。大切な視点であると思います。
私は、今期の審議課題である【初等中等教育における教員や教育課程に関する検討】は、2025年2月の答申である「我が国の『知の総和』向上の未来像 ~高等教育システムの再構築~」と密接に関連しているのではないかとお話ししました。すなわち、少子化とともに研究の高度化を支える人財育成が必要であるとともに、教員や保育士等、こども・若者の保育・教育を担う専門職の育成・研修、社会教育士等の養成は、高等教育における重要な使命になってくると認識しているからです。

また、私が分科会長を務めている【生涯学習分科会】及び部会長を務めている【社会教育の在り方特別部会】のこれまでの審議経過について紹介しました。
すなわち、第12期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理は【全世代の一人ひとりが主体的に学び続ける生涯学習とそれを支える社会教育の未来への展開;リカレント教育の推進と社会教育人材の養成・活躍のあり方】という副題を付けたことに表れている政策課題を提起していることを説明しました。
さらに、2024年6月の諮問【地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策について】については、3月に「審議事項1社会教育人材を中核とした社会教育の推進方策」に関する意見の整理を行った段階であり、今後、「審議事項2社会教育活動の推進方策」と「審議事項3国・地方公共団体における社会教育の推進体制等の在り方」について、審議を深めていく予定であることを紹介しました。

坂本教育長は、産業労働局をはじめとして、教育庁以外の行政分野での経験が豊富であること、私も市長として幅広い一般行政の責任を果たしつつ、教育委員会と連携してきたことから、首長部局と教育庁・教育委員会の更なる連携の必要性と重要性についての想いが一致しました。
特に、学校における働き方改革を進め、いじめ・不登校、児童虐待や犯罪被害防止などを地域社会全体で進めていくためには、教育行政において、適切な経営、コンプライアンス、ガバナンスの視点での取組みが有意義であるという想いを共有しました。
東京都の一つの市である三鷹市の市長時代から中央教育審議会委員を継続させていただいている私にとって、東京都の教育の責任者である坂本教育長が中央教育審議会委員に就任されたことを心強く思います。

私は、市長在任中、東京都教育庁の教育長はじめ各担当の皆様の絶大なるご理解とご支援によって【コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育】という初等中等教育の新しいカタチを実現することができました。
また、市長就任前の大学教員当時は東京都の生涯学習審議会の副会長・委員を務めさせていただくとともに、当時の東京都生涯学習文化財団の理事をつとめさせていただくなど、東京都の教育・文化行政とのご縁がありました。
現在の中央教育審議会はこれまで紹介したように重要な諮問を審議中です。
坂本教育長、相川教育政策担当部長との対話を通して、都道府県という広域自治体の教育行政の視点、市区町村という基礎自治体の教育行政の視点を大切にしつつ、こども・児童・生徒・学生の視点をまんなかに、望ましい学校教育・社会教育・生涯学習の在り方の審議を深めていきたいとの思いを強くしました。

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